骨粗鬆症の栄養療法

2020年9月10日

■長寿国の日本に多いお婆ちゃんの腰が曲がるという症状は、タンパク質の不足が第一の原因です。

日本では、欧米に比べてタンパク質摂取量が極端に少ないことが見落とされています。

骨は、軟骨(コラーゲン=タンパク質+鉄+ビタミンC)にカルシウムが沈着して形成されますが、タンパク質不足で軟骨が脆くなってます。

まずは、高齢になってもタンパク質量を確保することが大事です。

■次に、この軟骨のコラーゲンが劣化する原因は糖化です。

糖化とは過剰な糖質がタンパク質と結合して、AGEs(最終糖化産物)という老化物質を作り出すことです。

糖化が起こった骨は、褐色に変色します。顔のシミと同じ現象が起こって、骨が脆くなります。

糖尿病などで顕著になる糖化の原因は、第一に糖質過食です。

骨粗鬆症の栄養療法の基本は、高タンパク食・糖質制限になります。

■次に大事なことは、乳製品でカルシウムを摂らないことです。

乳製品に含まれるミネラルは、リンが多く含まれるというバランスの問題があります。

リンは摂りすぎると血液を酸性に傾ける性質を持っており、血液の平衡を保つために、アルカリミネラルであるカルシウムとマグネシウムが骨から溶出するからです。

乳製品を摂るほど、骨折が増えることが知られています。

ただし、ミネラルを含む水分を含まず、ほぼ脂質のバターは摂取しても問題ありません。

■ビタミンDをサプリの非活性型ビタミンD3で補う。

人間の身体は、赤道直下で裸で生活するようにデザインされています。

日本で生活すると日光不足でビタミンD不足がほぼ全員に起こって来ますので、ビタミンDの摂取が必須です。

オゾン層が破壊されつつあり、温暖化が進む現代では、紫外線による皮膚癌や白内障の問題、熱射病の問題がありますので、安易に日光浴を勧めることは出来ません。

干し椎茸や青魚などの食物にも非活性型ビタミンDは含まれていますが、1食で摂取可能なビタミンD量は50~200IU程度で量的に少ないため、規定量の1000〜2000IUに到達することは困難です。

コレステロールは自分で作ることが出来るので、プロビタミンDまでは人体で自然に作ることが出来ますが、紫外線によってプレビタミンDに変換することが出来ません。

次の方法として食物にも含まれるビタミンDを摂るわけですが、食物だけでは不十分なのでサプリで摂るという方法です。
摂取すべきサプリの優先順位を付けるならば、このビタミンDは上位になります。

海外の骨粗鬆症のガイドラインでは非活性型ビタミンDをサプリなどで摂取することが一般的ですが、日本では医薬品で活性型ビタミンD剤の摂取が勧められています。

文献で推奨されているのは、非活性型のビタミンD3です。

海外の医薬品の治療ガイドラインでは活性型ビタミンD剤は記載されていません。

活性型のビタミンD剤は、高カルシウム血症になるリスクがありますし、体内のビタミンD貯蔵量を最も反映する25ヒドロオキシビタミンDに貢献出来ません。

またサプリの非活性型ビタミンDは半減期が15〜20日、医薬品の25ヒドロオキシビタミンDは半減期が15時間~50時間と短いため、体内動態が安定しにくいです。

■カルシウムと同量以上のマグネシウムを摂取する。

カルシウムとマグネシウムは拮抗元素であり、例えば血管の収縮と弛緩にそれぞれ関係しています。

摂取比率は議論のあるところですが、同量またはマグネシウムを多めに摂取することが現在は推奨されています。

カルシウムとマグネシウムを含む食材は、乳製品を除くと共通している食材が多いです。

これらの食材を積極的に摂取することが大切です。