■容器
煎じる容器 | 保存する容器 |
土瓶がもっとも良い | ガラス、陶器、ホーロー |
耐熱ガラス、陶器、ホーロー、セラミック、ステンレスも可 | 金属、プラスティックは不可 |
鉄などの金属は不可 | 保温容器は不可 |
(初めて煎じ薬を飲まれる方は、家にある鍋を使われたら良いです)
■標準的な煎じ方
①水と生薬を容器に入れて、中火で熱する。(紙パックに入っている場合は、紙パックを破って中身だけを入れます)
②沸騰したら、ごく弱火にして、30分煮る。
③30分経過したら、すぐにこします。
■煎じる前後の水の標準量(1日分)
| 最初に入れる水量 | 煎液(出来上がった液) |
大人 | 600〜700cc | 250〜300cc |
7才 | 250〜350cc | 150cc前後 |
2才 | 150〜200cc | 90cc前後 |
■飲み方
1日分を3回に分けて食間に飲みます。1日分を2回にしても良いです。
食事前後30分以上あけて、空腹時に服用します。
煎じ薬が胃にもたれる場合は、食後すぐに飲んでも良いですし、煎じ薬を飲む量を減らしても良いです。
保存する場合は、夏場は腐らせないために冷蔵庫に入れますが、飲む時は胃を痛めるので、常温(約20度)以上にします。
■注意
水道水は塩素が入っているので、なるべく浄水器を通した水を使います。
薬局によっては、生薬を紙パックに入れていることがありますが、紙パックのままをそのまま使わずに、紙から中の生薬だけを取り出して容器に入れます。
生薬が水に浸っていない時は、箸などでかき混ぜて浸るようにします。
煎じる時は、土瓶のふたをします。
煎液をしばらく置いておくと沈殿ができます。この沈殿は飲んでも良いし、飲まなくても良いです。
体調が変わったり、風邪を引いた時は、普段飲んでいる煎液が飲みにくい時があります。飲みにくい時は、一旦休んで下さい。
■特殊な煎じ方
後下 | 沸騰して、ごく弱火にして約25分たった容器に入れて、4~5分だけそのままごく弱火で煮ます | 藿香、釣藤鈎、薄荷、蘇葉(紫蘇)、木香、縮砂、魚腥草(十薬) |
溶化 | 出来上がった煎液で溶化薬を溶かします | 阿膠、芒硝 |
沖服(ちゅうふく) | 出来上がった煎液に沖服薬を入れて、よく混ぜて服用します | 修治附子、山東阿膠、琥珀 |
先煎(さきせん) | 先煎薬と多めの水(標準量+100cc)を入れて、沸騰するまで中火、その後はずっとごく弱火で30分煮て、そこに残りの生薬を入れます | 石決明、烏頭 |
■一番煎じ、二番煎じ
中国は硬水のため、生薬の成分が溶出しにくいので、二番煎じまで行いますが、日本では必要ありません。