ルテオリン
まとめ:ルテオリンは新型コロナ後遺症、ワクチン後遺症のブレインフォグ(brain fog)に有効です。
フラバンの構造式を持つフラボノイドと呼ばれる植物化学物質のルテオリン(luteolin)は、ニンジン、ピーマン、セロリ、オリーブオイル、ペパーミント、タイム、ローズマリー、オレガノなどに多く含まれています。(2009, López-Lázaro)
ルテオリンとアビシノンIIが43種類の植物化学物質の中で新型コロナウイルスのACE2などに対して最も高い親和性を示しました。(2021, Shawan)
ルテオリンは、抗癌作用(2008, Seelinger)、BDNFを増加させることによる神経保護作用(2021, Daily)(2015, Nabavi)を持つことが知られています。
ルテオリンの高尿酸血症に対する保護効果が報告されています。(2014, Ding)(2020, Ludih)
ルテオリンが新型コロナ後遺症のブレインフォグ(brain fog)へ有効性であることが指摘されています。(2015, Theoharides)(2021, Theoharides)
新型コロナウイルス感染症と診断された2696 人の患者の中で、1680 人 (62.3%) が新型コロナ後遺症でした。その中でのブレインフォグは、194 人 (7.2%) の患者によって報告されました。(2022, Asadi‐Pooya)
ブレインフォグ(brain fog)は、思考の遅さ、集中力の低下、混乱、集中力の欠如、物忘れなどの軽度の認知障害のことで、抗癌剤の治療中に起こってくるケモブレイン(chemo brain, chemo fog)が有名ですが、新型コロナ後遺症(2022, Asadi‐Pooya)やワクチン後遺症(2022, Couzin-Frankel)でも起こることが報告されています。
ケモフォグのメカニズムとして、細胞毒性のある抗がん剤による過剰な血液脳関門を透過するサイトカイン放出による可能性があることが指摘されています。(2011, Raffa)
抗癌剤によるケモフォグのメカニズムとして、サイトカイン誘発性の酸化/ニトロソ化ストレスの役割が指摘されています。(2010, Alluise)
ルテオリンの自己免疫疾患に対する有効性が報告されています。(2016, Xia)
ルテオリンを含む製剤は、精神疾患のブレインフォグ(2015, Theoharides)や、自閉症児の注意力と行動を改善させることが報告されています。(2012, Theoharides)(2013, Taliou)(2015, Tsilioni)(2016, Theoharides)
漢方では菊花の主成分がルテオリンであり、この菊花は、外来で処方可能な釣藤散などに含まれています。
ケルセチンとルテオリンの合剤のサプリが販売されています。