関節痛に使うエキス剤の生薬分析
越婢加朮湯は、慢性関節リウマチの急性増悪期に短期間使います。石膏と麻黄の組み合わせにより、熱を取り風邪を発散(発汗解表)させます。麻黄は長期使用は出来ません。石膏は寒証には使えません。石膏はカルシウムを含むので注意が必要です。
薏苡仁湯は、関節拘縮のある関節痛に使います。湿痺(湿邪による関節病変)に使います。
疎経活血湯は、加齢に伴う関節痛に一般的に用います。瘀血に伴う関節痛(刺痛、持続痛、夜間痛)に使う活血化瘀剤です。
二朮湯は五十肩に使います。関節に溜まった水毒(痰飲)を取る蒼朮、茯苓、白朮と、止痛作用のある香附子、威霊仙から構成されます。
桂枝加朮附湯は、冷え症に伴う関節痛に使います。寒湿痺に対する処方です。附子は熱感を伴う痛みには効きません。
防已黄耆湯は、下肢関節の水毒(関節浮腫)に伴う関節痛に使います。気虚の風水・風湿に対する処方です。
上半身の関節痛は二朮湯、下半身の関節痛は防已黄耆湯を使います。
大防風湯は、慢性的に衰弱した人の関節痛に使います。十全大補湯をベースに構成されています。