舌診
第一段階は、舌質の色と舌苔(色と厚さ)の2点です。

瘀血では、舌質の色は紫暗色、瘀点、瘀班を伴う。陰虚では紅。
舌質の色は、舌苔を避けて舌辺や舌尖で判断する。
■舌苔の色

舌苔の厚さ

■苔質(たいしつ)体内の邪気の傾向は、胃気に乗じて舌面に現れる
濃い異常な排泄物は、胃腸の疲れ(胃虚、脾虚)を意味する。
無苔≒光滑 | 苔がなくツルツル | 極端な栄養失調。血津液の不足。紅色なら陰虚。淡色なら気虚、血虚。 |
薄苔 | ぼんやりと苔の下の舌体が見える、底が見える | 正常、苔少(気虚、陰虚) |
厚苔 | 濃い異常な排泄物、底が見えない | 濁 |
膩苔 | より濃い異常な排泄物、湿濁内蘊で陽気が阻滞、有茎 | 湿 |
白滑膩 | 寒湿、湿濁 | |
黄厚膩 | 湿熱、痰熱、食滞 | |
腐苔(オカラ状態) | さらに濃い異常な排泄物、膩苔が化熱によって腐苔、無茎 | 痰、または食滞 |
潤苔、滑苔 | 舌面の水分が過多、舌を伸ばすと涎(よだれ)が滴下 | 陽虚(湿証+寒証)による水飲停留 |
燥苔 | 舌面が乾燥して水分が無い | 陰虚、熱証 |
剥苔 | 虚証と熱証が原因 | 気虚、陰虚、熱証 |
■舌下静脈の怒張=血瘀

紫暗舌、瘀点、瘀班は同じ理由(血液の流れの滞り)で起こります。

■舌形
舌の胖大(舌が大きく厚みがある):湿痰(歯根、舌苔膩)、陽虚(舌質白、水滑苔)、気虚(質淡紅)、痰湿が停滞して舌体を満たすため

淡白舌、胖大:気血両虚

痩薄:淡白なら血虚、紅なら陰虚、陰液が不足して萎縮します

光滑(こうかつ):舌面に苔がなく光って見える。極端な栄養失調。血津液が重度に不足。紅色なら陰虚、淡色なら気血両虚。

剥苔:①光剥苔(光滑舌とおなじ)、②剥苔(気陰両虚)

潤苔:陽虚(湿証+寒証)による水飲停留。光滑は苔なし、潤苔は苔ありで鑑別。

紅絳(べにこう)舌:陰虚、やや痩薄、無苔

紅絳(べにこう)舌:陰虚、裂紋、やや痩薄、剥苔

白膩苔:寒湿。膩苔は湿濁が内蘊して陽気を阻滞することで発生する。有茎が膩苔で、無茎が腐苔。

黄膩苔:湿熱

腐苔:食滞。無茎。膩苔が化熱を伴って腐苔に移行する。回復すると腐苔が薄苔になる。

芒刺舌:舌質の特に舌尖部に紅点があり盛り上がっている状態。熱証。熱により糸状乳頭の角化・増殖が起こる。出現場所により熱証の場所が推測出来ます。

老(ろう)、婌(どん): 老舌は実証、婌舌は虚証です。人体の抵抗力が強いと 老、弱いと婌になります。

