痤瘡(ニキビ)の中医治療

にきびは、医学用語では尋常性痤瘡(肺風粉刺、acne vulgaris)と言います。

毛穴に皮脂や角質が詰まっている状態を面皰(めんぽう) と言い、これがニキビの始まりです。 白く毛穴が閉じた白ニキビ(閉鎖面皰)と毛穴が開いて黒色に見える黒ニキビ(開放面皰)とがあります。炎症が強くなるにつれて、発赤丘疹(紅色丘疹)となる赤ニキビ、膿を伴う黃ニキビ(膿疱)へと進行して行きます。

さらに赤色結節を伴ったり、長期化すると萎縮瘢痕となります。

肺経血熱紅色丘疹が主体、疼痛、顔面紅潮、口渇、便秘枇杷(びわ)清肺飲加減
血熱の痤瘡肝鬱化火による、顔面紅潮、頬の毛細血管の拡張桃紅四物湯 合 涼血五花陽加減
腸胃湿熱紅色丘疹から膿疱、疼痛、掻痒感、油顔、口臭、便秘、納呆茵陳蒿湯加減
脾虚痰湿紅色丘疹から嚢腫、結節、瘢痕、納呆、便溏参苓白朮散 合 二陳湯加減
熱毒壅(よう)盛膿疱型にきび、痛みあり五味清毒飲加減
瘀血痰凝結節型または嚢腫型血府逐瘀湯 合 二陳湯加減
衛任不調、肝鬱気滞成人女性、月経前後に発症、または悪化、イライラ、ほてり丹梔(たんし)逍遥散 合 二至丸
脾胃不振、気血不足食欲不振、痩せ香砂六君子湯加減
心腎不交成人女性、月経前からの不眠、多眠、浅眠天王補心丹加減

壅滞(ふさがり、とどこおること)、衛任

枇杷(びわ)清肺飲加減:枇杷葉(止咳平喘)、桑白皮(止咳平喘)、黄芩、山梔子、黄柏、甘草 加 生地黄、赤芍、白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう、清熱解毒)、牡丹皮、石膏、金銀花、連翹、丹参(活血化瘀)

桃紅四物湯:生地黄、当帰、桃仁、紅花、川芎、赤芍

涼血五花陽:紅花、鶏冠草(けいかんか、収渋)、野菊花(清熱解毒)、凌霄花(りょうしょうか、活血化瘀)、玫瑰花(まいかいか、行気)

茵陳蒿湯加減:茵陳蒿(利水)、山梔子、大黄 加 黄芩、生地黄、赤芍、薏苡仁車前子、蒲公英(ほうこうえい、清熱解毒、利水)、黄連

参苓白朮散 合 二陳湯加減:党参、茯苓、白朮、山薬、半夏、陳皮、白芥子(温化寒痰、消腫)、丹参(活血化瘀)、車前子、白花蛇舌草

五味清毒飲加減:金銀花、蒲公英、野菊花、紫花地丁(清熱解毒)、紫背天葵(しはいてんき、清熱解毒) 加 山梔子、白花蛇舌草、黄連、黄芩、馬歯莧(ばしけん、清熱解毒)

血府逐瘀湯 合 二陳湯加減:当帰10、牛膝9、紅花(こうか)10、生地黄10、桃仁12、枳穀(きこく、化痰・行気)6、赤芍(せきしゃく)6、柴胡3、甘草3、桔梗5、川芎5、茯苓、半夏、陳皮 加 丹参、白花蛇舌草

(二陳湯:半夏、橘紅(きっこう、行気)、茯苓、灸甘草)

丹梔逍遥散 合 二至丸:牡丹皮、山梔子、当帰、芍薬、茯苓、白朮、柴胡、薄荷、甘草、旱蓮草(かんれんそう)、女貞子 加 丹参、香附子、紫河車(しかしゃ、助陽)

香砂六君子湯加減:木香、砂仁、人参、白朮、茯苓、陳皮、半夏、甘草 加 馬歯莧(ばしけん、清熱解毒)、貝母(ばいも)、白花蛇舌草、黄耆、桔梗、丹参

天王補心丹加減:生地黄、人参、酸棗仁、当帰、 天門冬、麦門冬、柏子仁、遠志、丹参、玄参、五味子、桔梗、茯苓 加 馬歯莧、白花蛇舌草、黄芩