津液の病理(湿と痰飲)
湿 | 水 | 飲 | 痰 |
外邪である六淫のひとつ、内生五邪のひとつ | 水と湿は同じものとして臨床上扱われる | 内生素因(外邪などによって、肺脾腎三焦の機能失調から生じた病理産物) | 内生素因(外邪などによって、肺脾腎三焦の機能失調から生じた病理産物) |
希薄 | 湿より濃密 | 水より濃密 | さらに濃密で、湿水飲が凝集して、固形物 |
多湿や降雨で悪化 |
■湿の特徴(重、濁、粘、下、陰)
重 | 頭が重い、身体が重い、関節痛・沈痛 |
濁 | 目やに、粘液便、小便混濁、帯下黄白 |
粘 | 分泌物・排泄物が粘性、再発を繰り返し難治性(ねばる) |
重濁粘→臓腑経絡を阻滞して、気機・経絡の障害 | 胸悶、精神疲労 |
重濁粘→皮膚 | 麻木、湿疹、瘙痒感、浮腫 |
重濁粘→脾胃 | 胃のつかえ、納少、腹脹、腹鳴、下痢、便溏 |
下 | 下肢浮腫、下痢 |
陰(寒湿) | 陽気を損傷して、悪寒、冷え症、咳嗽 |
湿熱 | 午後の潮熱、口渇あるが希水なし |
■痰飲の特徴(湿より重篤な症状)
肺や胸部 | 胸悶、咳嗽、喘息 |
胃や腸管 | 悪心嘔吐、胸腹部の脹満 |
心神 | めまい、重い精神症状(昏迷、痴呆) |
肌膚、経絡 | 浮腫、疼痛、麻痺 |