シミ(肝斑)の中医治療
肝斑(しみ、黄褐斑、chloasma)は、中年女性によく見られる、顔面に左右対称性に見られる、非炎症性の淡褐色の色素斑です。
肝鬱 | 不妊症、月経困難症を伴う女性、胸脇の脹痛、イライラ、易怒性 | 逍遥散加減、逍遥丸合桃紅四物湯加減 |
脾湿 | 気短、乏力、精神疲労、納呆、 | 人参健脾丸加減 |
腎虚 | 冷え症、腰膝酸軟、五心煩熱、夜間頻尿 | 金匱(きんき)腎気丸加減 |
逍遥散加減:柴胡、青皮、陳皮、川楝子、当帰、茯苓、白芍、白朮、紅花、凌霄花(のうぜんかずら、活血化瘀)、乾地黄
逍遥丸合桃紅四物湯加減:柴胡、白芍、当帰、茯苓、白朮、旱蓮草、女貞子、香附子、玉竹、牡丹皮、丹参、紅花、川芎、白芷(辛温解表)、水蛭
人参健脾丸加減:黄耆、党参、白朮、茯苓、当帰、紅花、凌霄花、砂仁(しゃにん、行気)、附子、升麻、山薬、冬瓜皮(とうがひ、利水)、炙甘草
金匱(きんき)腎気丸加減:附子、山茱萸、仙霊脾(せんれいひ、助陽、淫羊藿)、乾地黄、茯苓、山薬、菟絲子、巴戟天(助陽)、紅花、凌霄花、細辛
老人性色素斑は日光性色素斑とも呼ばれ、日光などの刺激から肌を守るために生成されたメラニン色素が、肌に残ってしまってできる、境界のはっきりとしたシミです。 日のあたりやすい顔や手など、どこにでもできます。 肝斑は、ホルモンバランスの乱れや摩擦などによってできる、もやもやとしたシミです。
肝斑には、ビタミンC(2022, Huang)、ビタミンD(2024, Chen)、トラネキサム酸、グルタチオン(2018, Feng)の有効性が報告されています。