四肢の冷え(手足厥冷)の中医治療
四肢の冷えを中医学では、手足厥冷(けつれい)と呼びます。厥(けつ)は、彫刻刀で「ほる」という意味。
陽虚 | 寒厥 | 陽気が衰えて四肢末端を温運出来ない |
脾腎陽虚 | 寒厥 | |
陰寒内盛 | 寒厥 | |
戴陽(たいよう) | 寒厥 | |
熱邪内鬱 | 熱厥 | 裏熱が盛んなため陽気が鬱閉されて四肢末端に到達出来ない |
陽気鬱阻 | 熱厥 | 肝気が鬱して陽気が四肢末端に到達出来ない |
血虚受寒 | 寒厥 | 血虚の体質のものが寒邪を受けて血脈の運行が障害されて、寒邪が四肢に鬱滞 |
痰濁内阻 | 痰湿が盛んな体質で、胸陽が宣発されないため |
腰冷重(ようれいじゅう、腰が冷えて重だるい)の腎水、風水では、寒湿の邪が腰部に停滞する。
陽虚 | 寒厥 | |||
脾腎陽虚 | 寒厥 | 寒がって身を縮める、下痢、消化不良 | 四逆散 | 柴胡、白芍、甘草、枳実 |
陰寒内盛 | 寒厥 | 悪寒がない、顔面紅潮、咽頭痛 | 通脈四逆散 | 甘草、附子、乾姜 |
戴陽(たいよう) | 寒厥 | 水様便止まらず、焦燥感、脈が触れない | 白通湯 加 猪胆汁 | 葱白(辛温解表)、乾姜、附子 |
熱邪内鬱 | 熱厥 | 悪熱、口や舌の乾燥・口渇 | 白虎湯 | 石膏、知母、甘草、糠米 |
大承気湯 | 大黄、厚朴、枳実、芒硝 | |||
陽気鬱阻 | 熱厥 | 胸脇腫痛、嗳気(あいき、げっぷ)、嘔吐、下痢 | 四逆散 | 柴胡、白芍、甘草、枳実 |
血虚受寒 | 寒厥 | 顔色萎黄、口唇舌淡、外寒との関連が強い | 当帰四逆散 | 当帰、桂枝、白芍、細辛、甘草、通草(つうそう、利水)、大棗 |
痰濁内阻 | 胸脇腫痛、喘鳴、口が粘い、痰が多い | 導痰湯 | 半夏、陳皮、枳実、甘草、天南星 |
寒厥 | 手足から肘膝まで冷える | 胸腹部の冷え、下痢 | 苔白、脈微(沈細無力) | |
熱厥 | 手足の先だけ冷える | 胸腹部の熱感、実熱(目赤、口渇、便秘) | 苔黄、脈数 |
真寒仮熱には二種類ある。
戴陽は、下焦の虚寒により上部に陽気があがり仮熱となり、下真寒で上仮熱となる。
格陽は、内が真寒で外が仮熱である。核陽とは、陽を外に核する(隔絶する)という意味で、陰寒内盛となって、陽と連絡できなくなることです。