夜間多尿の中医治療
中医学では、腎臓は水、膀胱は尿液を司るので、腎と膀胱の失調によって、夜間多尿が起こってきます。また、昼は陽で夜は陰であり、夜間は陰盛陽衰であるので、夜間多尿は陽気の虚弱が原因です。
腎陽虚 | 甚だしければ尿失禁、耳鳴り、難聴、腰膝酸軟 | 桑螵蛸(そうひょうしょう)散加減 |
脾腎陽虚 | 冷え症、頭のふらつき、耳鳴り、腰膝酸軟、納呆、るい痩、便溏 | 固脬(ふ)丸 |
桑螵蛸(そうひょうしょう)散:桑螵蛸(収渋)、遠志、菖蒲、竜骨、茯神、人参、当帰、亀板
固脬(ふ)丸:黄耆、蒺藜子、山茱萸、当帰、茯神、茺蔚子(じゅういし、活血化瘀)、白芍、升麻、羊脬
夜間多尿は心不全の時に、臥位により腎臓に集まる水分が増えて起こる場合があります。(水腫)
肝気鬱結による頻尿で、気滞が膀胱に及んで、夜間頻尿が起こる場合があります。治法は逍遥散です。(うつと精神症状の病機図)