頻尿の中医治療
頻尿は、中医学では小便頻数(ひんさく)と呼びます。
膀胱湿熱 | 湿熱が下注して膀胱の気化(排尿機能)が失調 |
腎陰虚 | 腎陰が不足して摂納が出来なくなり、内熱が生じて、膀胱の気化が失調 |
腎気不固 | 陽虚のため、水を司る腎が封蔵(貯蔵)出来なくなり、膀胱が水分排出を制約できなくなる |
肺脾気虚 | 過食・過労・寒邪から脾肺が気虚となり、下焦を制約できず、膀胱の排水を制約できなくなる |
肝気鬱結 | 気滞が膀胱に及んで発生する |
摂納:呼吸は肺が司っているが、吸気は腎に降らなければならない。吸気を腎に納める腎気の働きを「摂納」と言います。
膀胱湿熱 | 排尿痛、尿の混濁 | 八正散 |
腎陰虚 | めまい、耳鳴り、腰膝酸軟、五心煩熱、盗汗 | 知柏地黄丸 |
腎気不固 | 腰膝酸軟、冷え症、耳鳴り | 右帰丸 |
肺脾気虚 | 元気がない、納呆、便溏 | 温肺湯 合 補中益気湯 |
肝気鬱結 | うつ、イライラ、脇痛 | 逍遥散 |
八正散:木通、車前子、瞿麦(くばく、利水)、扁蓄(へんちく、利水)、滑石、甘草、大黄、山梔子
知柏地黄丸:知母、黄柏、地黄、山茱萸、山薬、牡丹皮、茯苓、沢瀉
右帰丸:熟地黄、山薬、枸杞子、山茱萸、菟絲子、鹿角膠、杜仲、当帰、肉桂、附子
温肺湯:人参、鐘乳粉、半夏、肉桂、陳皮、乾姜、木香、甘草
補中益気湯:黄耆、白朮、甘草、人参、升麻、柴胡、陳皮、当帰
逍遥散:柴胡、白朮、当帰、白芍、茯苓、薄荷、甘草、生姜