頻尿・多尿の中医治療
■頻尿は、中医学では小便頻数(ひんさく)と呼びます。
| 膀胱湿熱 | 湿熱が下注して膀胱の気化(排尿機能)が失調 |
| 腎陰虚 | 腎陰が不足して摂納が出来なくなり、内熱が生じて、膀胱の気化が失調 |
| 腎気不固 | 陽虚のため、水を司る腎が封蔵(貯蔵)出来なくなり、膀胱が水分排出を制約できなくなる |
| 肺脾気虚 | 過食・過労・寒邪から脾肺が気虚となり、下焦を制約できず、膀胱の排水を制約できなくなる。気虚では腎・膀胱の気化作用が失調して、尿閉・失禁を起こす。 |
| 肝気鬱結 | 気滞が膀胱に及んで発生する |
摂納:呼吸は肺が司っているが、吸気は腎に降らなければならない。吸気を腎に納める腎気の働きを「摂納」と言います。
| 膀胱湿熱 | 排尿痛、尿の混濁 | 八正散 | 木通、車前子、瞿麦(くばく、利水)、扁蓄(へんちく、利水)、滑石、甘草、大黄、山梔子 |
| 腎陰虚 | めまい、耳鳴り、腰膝酸軟、五心煩熱、盗汗 | 知柏地黄丸 | 知母、黄柏、地黄、山茱萸、山薬、牡丹皮、茯苓、沢瀉 |
| 腎気不固 | 腰膝酸軟、冷え症、耳鳴り | 右帰丸 | 熟地黄、山薬、枸杞子、山茱萸、菟絲子、鹿角膠、杜仲、当帰、肉桂、附子 |
| 肺脾気虚 | 元気がない、納呆、便溏 | 温肺湯 合 補中益気湯 | 温肺湯:人参、鐘乳粉、半夏、肉桂、陳皮、乾姜、木香、甘草、補中益気湯:黄耆、白朮、甘草、人参、升麻、柴胡、陳皮、当帰 |
| 肝気鬱結 | うつ、イライラ、脇痛 | 逍遥散 | 柴胡、白朮、当帰、白芍、茯苓、薄荷、甘草、生姜 |
■多尿、中医では小便清長(尿が薄くて量が多い)といいます。
| 腎陽虚 | 腎陽が不足して封蔵の機能が失調し、膀胱が水液を統摂できない | 小便清長、顔色白い、元気がない、腰膝酸軟、冷え性 | 舌淡、脈沈遅無力 | 温腎摂尿、縮泉丸合右帰丸 | 烏薬、益智仁、山薬、合右帰丸(熟地黄、山薬、枸杞子、山茱萸、菟絲子、鹿角膠、杜仲、当帰、肉桂、附子) |
| 陰寒内盛 | 寒邪が体内に侵入して、陽気の温煦作用が障害されて、膀胱の気化と水液の固摂が失調 | 小便清長、冷え性、腹部の冷え、泥状便 | 舌淡、苔白、脈沈弦 | 温中散寒、理中湯加減 | 人参、乾姜、白朮、甘草 |

