喀痰の中医治療
喀痰は、咳嗽とともに排出される痰のことで、中医学では咳痰(がいたん)と呼びます。
肺熱 | 黄色で粘調な痰、発熱、肺が熱邪を感受、風熱以外にも過食で痰が生じ鬱して化熱 | 麻杏甘石湯 合 瀉白散 |
肺寒 | 白色でうすい痰、悪寒>発熱、冷え症、肺が寒邪を感受、風寒以外にも寒飲で発症 | 杏蘇散、華蓋(かがい)散加減 |
風邪犯肺 | 泡沫状の痰、鼻炎、発熱、悪寒 | |
風寒犯肺(悪寒>発熱、無汗) | 金佛草散加減 | |
風熱犯肺(発熱>悪寒、有汗) | 桑菊飲 | |
陰虚肺燥 | 肺の津液が消耗して、肺気が上逆、頬部紅潮、咽乾、潮熱、盗汗、大便秘結 | 清燥救肺湯・養陰清肺湯・百合固金湯加減 |
湿邪犯肺 | 痰は白色で多い、脾虚(納呆、便溏)、湿盛(四肢がだるい、腹が腫る、舌質胖大、舌苔白膩) | 二陳湯合三子養親湯加減 |
湿熱蘊肺 | 大量の膿性、膿血性の痰、腹が腫る、舌質胖大、舌苔黄膩、舌質は紅 | 銀翹散 加 黄芩、黄連 |
麻杏甘石湯:麻黄6、杏仁9(止咳平喘)、炙甘草6、石膏18
瀉白散:地骨皮、桑白皮、甘草、糠米
杏蘇散:杏仁、紫蘇葉、半夏、茯苓、甘草、前胡、桔梗、枳穀、生姜、大棗、陳皮
華蓋散:麻黄、杏仁、蘇子、桑白皮、陳皮、茯苓、甘草
金佛草散:金佛草(きんふつそう、止咳平喘)、荊芥、麻黄、甘草、半夏、赤芍、桑白皮(止咳平喘)、烏薬、生姜
桑菊飲:桑葉、菊花、杏仁、連翹、薄荷、桔梗、甘草、芦根(清熱瀉火)
清燥救肺湯:桑葉、石膏、甘草、人参、胡麻仁(滋陰)、阿膠、麦門冬、杏仁、枇杷葉
養陰清肺湯:生地黄、麦門冬、玄参、甘草、貝母、牡丹皮、薄荷、白芍、
百合固金湯:生地黄、熟地黄、百合(びゃくごう、滋陰)、麦門冬、貝母、当帰、白芍、甘草、玄参、桔梗
肺陰に有効な生薬は、天門冬、麦門冬、百合、浜防風。
二陳湯:半夏、橘紅、茯苓、炙甘草
三子養親湯:白芥子、蘇子(止咳平咳)、蒺藜子
銀翹散:金銀花、連翹、桔梗、薄荷(はっか、辛涼解表)、竹葉(清熱瀉火)、荊芥穂(すい)、豆豉、生甘草、牛蒡子