掌蹠膿疱症の中医治療
掌蹠膿疱症(しょうせき、palmoplantar pustulosis)は、1930年頃に初めて報告された新しい疾患であり、中医古籍文献中に記載されていません。
手掌・足底に無菌性膿疱を多発性・左右対称性に生じます。病因については、乾癬(銀屑病)に属する自己免疫疾患であるという説、歯科・耳鼻科領域の細菌感染巣からの細菌アレルギー説、充填された歯科材料に対する金属アレルギー説、汗を出す汗腺が炎症を起こす説があります。
毒熱偏盛 | 掌蹠に発症。発熱、疼痛、口渇 | 清瘟(おん)敗毒飲加減 |
脾経湿熱 | 主に足蹠 | 二妙散加味 |
金石毒攻 | 足蹠だけでなく、足背、下腿、手背など広範囲、痒みあり | 黄連解毒湯加減 |
余毒未清 | 再発を繰り返す | 五味消毒飲加減 |
清瘟(おん)敗毒飲加減:板藍根(清熱解毒)、黄連、山梔子、升麻、金銀花、連翹、大青葉(清熱解毒)、緑豆衣(清熱解毒)、薏苡仁、赤芍、赤小豆(利水、清熱解毒)、黄柏、滑石、沢瀉
二妙散加味:蒼朮、陳皮、黄柏、黄耆、党参、山薬、薏苡仁、忍冬藤、蒲公英、馬歯莧(清熱解毒)、茯苓、沢瀉、黄芩
黄連解毒湯加減:黄連、山梔子、連翹、緑豆衣、玄参、石斛(滋陰)、麦門冬、甘草、黄芩、琥珀(安神、散瘀、利水)、灯心草(利水、清熱)
五味消毒飲加減:蒲公英(清熱解毒)、紫花地丁(清熱解毒)、茯苓、連翹、沙参、石斛、太子参(補気)、熟地黄、山薬、当帰、白芍、甘草、貝母、薏苡仁、白花蛇舌草