口渇の中医治療

熱証と陰虚による口渇(夜に悪化、飲みたがる)が多い。湿証などの口渇では口乾(飲みたがらない口渇)となる。

口渇夜に悪化、飲みたがる全体的な水分の不足
口乾飲みたがらない水分の不足と過剰が混在
熱盛陽明口渇冷水を好む、高熱、発汗、顔面紅潮、目の充血、煩躁(いらいら)苔黄乾燥、脈数或沈実有力白虎加人参湯知母12、石膏30、灸甘草6、米(養胃)15〜30、人参6
熱入営血口乾飲みたがらない、潮熱、煩躁、うわごと、意識障害舌紅、脈細数清営湯犀角(清熱涼血)、玄参、牡丹皮、麦門冬、連翹、生地黄、黄連、金銀花、竹葉、巻心
熱邪が営分に入って、血中の津液が煎灼して上蒸するため、口渇あっても飲みたがらない犀角地黄湯犀角、生地黄、牡丹皮、赤芍
湿熱鬱蒸口乾飲みたがらない、納呆、頭と身体が重だるい、軟便苔黄、脈漏数熱>湿の場合、三石湯石膏、滑石、寒水石(かんすいせき、清熱瀉火)、杏仁、金銀花、竹筎、通草、金汁
連朴飲厚朴、黄連、石菖蒲、半夏、山梔子、豆鼓、芦根
熱<湿の場合、黄芩滑石湯黄芩、滑石、茯苓、大腹皮、豆鼓、通草、猪苓
甘露消毒丹滑石、茵蔯蒿、石菖蒲、黄芩、木通、貝母、藿香、薄荷、豆鼓、連翹、射干
水飲内停口乾飲みたがらない、腹部膨満、嘔吐、浮腫、尿量少なく出にくい舌淡、胖大、歯根、苔滑或膩、脈沈弦滑水飲の停留が心下部にある苓桂朮甘湯茯苓、桂枝、白朮、甘草
水飲の停留が下焦にある五苓散茯苓、猪苓、沢瀉、白朮、桂枝
肺燥傷津口渇鼻咽の乾燥、乾咳、無痰、皮膚の乾燥、便秘舌紅、苔薄、乾燥、脈弦渋或小数清燥湯黄耆、沢瀉、升麻、当帰、猪苓、黄連、陳皮、人参、甘草、生地黄、柴胡、蒼朮、白朮、茯苓、麦門冬、神麹(しんぎく)、黄柏、五味子
清燥救肺湯桑葉、石膏、甘草、人参、胡麻仁、阿膠、麦門冬、杏仁、枇杷葉
陰虚火旺口渇口咽の乾燥が夜に強い、不眠、潮熱、五心煩熱舌紅、痩せる、苔薄、脈沈細数六味地黄丸合増液湯六味地黄丸(熟地黄、山薬、山茱萸、沢瀉、茯苓、牡丹皮)合玄参、麦門冬、生地黄