潰瘍性大腸炎の中医治療

潰瘍性大腸炎は、中医学では泄瀉、腸瘍にあたります。病位は大腸と脾胃ですが、慢性期には肝腎に波及します。

病の転化は、初期は湿熱の邪実が主ですが、慢性期には虚証になってきます。

ただし、慢性期でも湿・食滞・瘀血などの邪実を伴い虚実夾（きょう）雑と寒熱交錯になることが多いです。

湿熱蘊結	白頭翁湯、二妙散
脾虚湿滞	香砂六君子湯
肝旺脾虚	痛瀉要方
脾腎陽虚	附子理中丸合四神丸
気滞血瘀	少腹逐瘀湯合桃紅四物湯

白頭翁湯：白頭翁（はくとうおう、清熱涼血）、黄柏、黄連、秦皮（しんぴ、清熱燥湿）

二妙散（下焦の湿熱をとる）：黄柏、蒼朮

香砂六君子湯：人参、白朮、茯苓、甘草、半夏、陳皮、生姜、大棗、木香、縮砂（しゅくしゃ、補気、健胃）

痛瀉要方：白朮、白芍、陳皮、防風

附子理中丸：焙附子、人参、白朮、焙乾姜、炙甘草

四神丸：補骨脂、呉茱萸、肉荳蔲（にくずく、収渋）、五味子、大棗、生姜

少腹逐瘀湯：小茴香（しょうういきょう、散寒）、乾姜、延胡索、没薬（もつやく、活血化瘀）、当帰、川芎、肉桂、赤芍

桃紅四物湯：熟地黄、川芎、白芍、当帰、桃仁、紅花