甲状腺疾患(癭病)の中医治療
癭病(えいびょう)は、西洋医学の甲状腺腫、甲状腺腫瘍、甲状腺亢進症、慢性甲状腺炎に当たります。
中医学では、癭病は巨大で気管や食道を圧迫して、なおかつ薬物療法の効果が出ない場合に、外科手術を考慮すべきとしています。
癭嚢(えいのう) | 腫瘤は左右対称的、辺縁がはっきりせず、柔軟 | 昆布丸、四海舒鬱丸加減 |
癭瘤 | 腫瘤は偏在、大きく硬い、急速に増大 | 海藻玉壺湯加減 |
癭気 | 軽度の腫大、結節なし、甲状腺機能亢進症状(動悸、自汗、易怒、眼球突出、振戦、消痩、微熱) | 二冬湯合消瘰(るい)丸加味 |
昆布丸:昆布、海藻、羊靨(ようよう)、通草、海蛤殻
四海舒鬱丸加減:昆布、海帯、海藻、海螵蛸(ひょうしょう)、木香、陳皮
海藻玉壺湯加減:海藻、海帯、昆布、青皮、陳皮、半夏、貝母、連翹、甘草、当帰、川芎
二冬湯:天門冬、麦門冬、沙参、天花粉(栝楼根、清熱瀉火、消腫)、黄芩、知母、薄荷、甘草
消瘰(るい)丸加味:玄参、牡蠣、貝母