タミフルの大失敗とそこから学んだ教訓

ノイラミニダーゼ阻害剤であるオセルタミビル(タミフル)は、1999年に米国食品医薬品局により季節性インフルエンザの治療薬として承認されました。多数のランダム化比較試験、システマティックレビュー、メタアナリシスにより、良好な有効性と安全性プロファイルが強調されました。それらの大部分は、この薬を最初に販売および宣伝したロシュ社によって資金提供されました。2005年と2009年には、パンデミックインフルエンザの恐怖が迫り、世界保健機関(WHO)、疾病予防管理センター、欧州医薬品庁などの著名な規制機関が、インフルエンザの治療と予防にタミフルを使用すること、および危機を乗り切るための対策として備蓄することを推奨しました。タミフルに関連する重篤な有害事象、特に神経精神医学的事象が報告され始め、この薬の臨床的有用性に対する疑問が次々と生じました。最近のコクランレビューと関連記事は、この薬のリスクと利益の比率に疑問を投げかけ、また、この薬を承認するという規制当局の決定にも疑問を投げかけています。WHO などのさまざまな国際機関が提示した、この薬の備蓄に関する勧告も精査されています。多くの評論家がタミフル騒動を「高くつく過ち」と呼んでいますが、この出来事は私たちに重要な教訓を残しています。(2015, Gupta)