ワクチン後遺症、コロナ後遺症と自己抗体

まとめ:ワクチン後遺症、コロナ後遺症では、スパイクタンパク質以外に自己抗体の問題があります。

新型コロナ後遺症ではME/CFSと共通する自己抗体(β2アドレナリン受容体、ムスカリン性M2受容体)が、検査を受けた全例で検出されることが既に報告されています。(2021, Wallukat)

新型コロナワクチン接種後に血小板減少性を発症した患者に、治療的血漿浄化を試みたところ、症状の改善に加えて、さまざまな G タンパク質共役受容体 (GPCR) および RAS 関連タンパク質に対する自己抗体に有意な変化が認められました。(2024, Mantovani)

ロングコビットの患者で、慢性疲労症候群、味覚喪失、黄斑および乳頭周囲領域の毛細血管微小循環障害がありました。患者はさまざまなGタンパク質共役受容体を標的とする機能性自己抗体( GPCR-AAbs) の検査で陽性反応を示しました。広範囲の病原性 GPCR-AAbsを中和する血漿浄化法(BC 007 の単回投与)後、 48 時間以内に、GPCR-AAbs は機能的に不活性化され、4 週間の観察期間中不活性のままでした。この観察では、患者の疲労症状、味覚、網膜毛細血管微小循環が継続的に改善しました。したがって、GPCR-AAb を除去すると、毛細血管障害、味覚喪失、慢性疲労症候群などの ロングコビット の特徴が改善される可能性があります。(2024, Mantovani)

新型コロナ感染後の246 人を対象とした横断的研究により、G タンパク質共役受容体 (GPCR) および RAS 関連分子を標的とする自己抗体が COVID-19 の臨床重症度と関連していることを示しまあした。(2022, Cabral-Marques)

実験的に牛およびフェレットにSARS-CoV-2を感染させたところ、Gタンパク質共役受容体を標的とする機能性自己抗体が出現しました。(2023, Wallukat)

ファイザー/ビオンテックのSARS-CoV-2ワクチン(BNT162b2)接種後に18歳の青年に4ヶ月後に多系統炎症症候群が発生した。SARS-CoV-2感染後に多系統炎症症候群を発症した4人の子供とBNT162b2ワクチン接種後に橋本病甲状腺炎を発症した女児で最近示されたように、Gタンパク質共役受容体に対する機能性自己抗体の上昇が認められました。(2021, Buchhorn)

自己免疫疾患の特徴は、特定のヒト白血球抗原(HLA)対立遺伝子との遺伝的関連ですが(下図)、ME/CFSは、複数の特定のHLAとの関連が報告されています。(2020, Lande)