がんとタンパク質摂取

高タンパク食は、進行性消化器癌の外来高齢者の全生存率の向上させます。(2021, Pimentel)

乳がんと診断された6348人を対象とした調査で、タンパク質の摂取量が多いと乳がんの生存率が向上することが示されています。(2016, Holmes)

欧州臨床栄養代謝学会ではがん患者さんに対して、タンパク質摂取量は1 g/kg/日以上、可能であれば 1.5 g/kg/日までとすることを推奨しています。(推奨 B2-2、推奨の強さ:強、エビデンスのレベル:中、コンセンサス:強) (2021, Muscaritoli)

がん患者では、筋肉が消耗することが知られています。タンパク質摂取量との関連で見ると、1.2 g/kg 未満のタンパク質摂取では、筋肉が消耗します。筋肉の維持するためには、1.4 g/kg を超える摂取量が必要です。(2022, Capitao)

栄養失調のリスクがある155人のがん患者を対象とした研究で、化学療法前のタンパク質摂取量が非常に低い(0.8 g kg /1日未満)と、疲労とADLの悪化が予測されました。(2021, Regueme)

卵巣がんの一次治療後、がん生存者全般に推奨されるタンパク質摂取量(1g/kg以上)を満たしている人は、摂取量の少ない人よりも予後が良好でした。(2023, Johnson)