タバコの一般的なリスク

タバコにはメリットもありますが、以下のリスクが疫学的に報告されています。

■タバコの癌の関係

日本での約9万人を対象としたアンケートを解析すると、たばこを吸う人のがん全体の発生率は吸わない人と比べて男性1.6倍、女性1.5倍でした。(2004, Inoue)

喫煙者に関する推定値が報告されている216の研究について実施しました。喫煙者では、肺がん(RR = 8.96、95% CI: 6.73–12.11)、喉頭がん(RR = 6.98、95% CI: 3.14–15.52)、咽頭がん(RR = 6.76、95% CI: 2.86–15.98)の相対リスク(RR)が最も高く、次いで上部消化管がん(RR = 3.57、95% CI: 2.63–4.84)、口腔がん(RR = 3.43、95% CI: 2.37–4.94)の順となりました。(2008, Gandini)

■タバコとCOPD、慢性気管支炎(CD)、肺気腫

COPDは、従来肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていたものの総称です。COPDは別名タバコ病とも呼ばれており、喫煙者の15~20%がCOPDを発症します。

特定された 218 件の研究のうち、133 件は COPD、101 件は CB、28 件は肺気腫のデータを提供しています。喫煙経験者(COPD 2.89、CI 2.63-3.17、n = 129 RR、CB 2.69、2.50-2.90、n = 114、肺気腫 4.51、3.38-6.02、n = 28)、現在喫煙中(COPD 3.51、3.08-3.99、CB 3.41、3.13-3.72、肺気腫 4.87、2.83-8.41)、元喫煙者(COPD 2.35、2.11-2.63、CB 1.63、1.50-1.78、肺気腫 3.52、2.51-4.94)の推定値は高くなっています。(2011, Forey)

■タバコと心血管疾患

喫煙は、心血管疾患の罹患率と死亡率の最も予防可能な原因です。喫煙は、冠状動脈性心疾患のリスクが 2 ~ 4 倍増加し、冠状動脈性心疾患による死亡率が 70% 以上増加し、突然死のリスクが上昇することと関連しています。(1992, Lakier)