ヒートショックプロテインの増やし方

慢性疲労の方は湯当たりしやすいので、長時間の入浴はお勧めできません。

■高温で長湯する入浴法

42度のお風呂に10分間入る入浴法が基本ですが、高齢者や体力の弱った方は温度を少し下げて入浴する方法が勧められています。

血行促進作用があり、保温効果を高める入浴剤を使うことで時間を短縮出来ます。

実施頻度は週2回程度で、連続して実施すると返ってヒートショックプロテイン(HSP)が増えなくなります。

■持久走などの運動

骨格筋の内部温度の上昇によってもHSPは増えますし、内部温度の上昇を伴わない運動でもHSPは増加します。結論としては、持久走によってHSPは増加して、その程度は強度と時間に依存します。(2016, Henstridge)

過度な運動は、別の問題を引き起こしますので、個人のレベルに合わせた適度な運動を行います。

■サウナは、HSPと低温ショックプロテインの二重の効果が期待できます

サウナでは、一般的にはサウナ(5分〜15分)→水風呂(1分〜1分半)→外気浴(5〜10分程度、足が冷たく感じる程度まで)→水分やミネラル補給を1セットとして、2〜4セットを行います。これを「温冷交代浴」といいます。

低温ショックタンパク質は、低温下で発現するタンパク質で、低温ストレスでRNAの二次構造の不安定化を安定させる作用を持つことから、RNAシャペロン活性を持つことが報告されています。(1997, Jiang)

■食事と食べ物

カロリー制限によって、HSPが増えることが報告されています。(1993, Heydari)

レスベラトロールは黒骨鶏の熱ストレスに反応して抗酸化物質と熱ショックタンパク質のmRNA発現を誘導することが報告されています。(2014, Liu)

アスパラガスの茎からの抽出物は熱ショックタンパク質の発現を促進し、抗ストレス効果を発揮することが報告されています。(2014, Ito)

ケルセチンが、癌の進展に関係するHSP90の発現を抑制して、前立腺癌細胞の増殖を抑制し細胞死を促すことが報告されています。(2008, Aalinkeel)