中医学の竅(きょう、けつ)
竅(きょう、けつ)とは、外界と体内をつなぐ通路や出入口であり、生命活動や感覚に関わる重要な部位と考えられています。
「七竅(しちきょう)」は、顔にある七つの穴(目2つ、耳2つ、鼻2つ、口1つ)を指します。
「九竅(きゅうきょう)」は、人間の体に存在する**9つの穴(開口部)を指します。七竅に加えて、肛門と尿道です。
「神竅(しんきょう)」とは、人体と外界をつなぐ感覚器官や開口部を指し、精神や意識活動(「神」)と密接に関わる部位です。具体的には、五臓それぞれに対応する以下の竅(きょう)、つまり七竅が神竅とされています。神竅の別名を清竅ともいいます。
各臓腑と対応する竅
- 心(しん)
- 主な竅: 舌(ぜつ)
- 機能: 心は「神明」を主り、舌の動きや味覚、発音に影響します。舌の色や形態は心の健康状態を反映します。神明とは精神のこと。
- 肺(はい)
- 主な竅: 鼻(び)
- 機能: 肺は呼吸を主り、鼻の通りや嗅覚に影響を与えます。鼻の乾燥や詰まりは肺の不調を示すことがあります。
- 肝(かん)
- 主な竅: 目(もく)
- 機能: 肝は「血」を蓄え、目の潤いと視覚を司ります。目の充血、視力低下、目の乾燥は肝の状態を反映します。
- 脾(ひ)
- 主な竅: 口(こう)
- 機能: 脾は「運化」を司り、食欲や味覚、口内の健康に関与します。唇の色や状態は脾の健康状態を示します。
- 腎(じん)
- 主な竅: 耳(じ)・二陰(にいん)(尿道と肛門)
- 機能: 腎は「精」を蓄え、耳の聴覚や二陰(排泄と生殖)に影響します。耳鳴りや難聴は腎の虚を示すことがあります。