加味帰脾湯の副作用

女性75歳、夫から無気力、絨黙、健忘を指摘されて来院した。長谷川式簡易痴呆診査スケールでは25点で痴呆は否定された。併用薬なしで観察していたところ、4週 目に至り、家で歌を歌ったり、夫が目を離したわずかの隙に外出、俳徊するなどの点が見られるようになり、夫の要請で投与を中止した。(1997, 中田)

加味帰脾湯の構成生薬は、帰脾湯(白朮・茯神・黄耆・龍眼肉・酸棗仁・人参・木香・炙甘草・当帰・遠志)+柴胡、山梔子であるが、この中で昇気の柴胡、黄耆、補気の当帰が原因で躁転したものと思われます。

安神薬の影響もあるかもしれません。

他に柴胡、黄耆、当帰を含むエキス剤には、補中益気湯があります。