山梔子による腸間膜静脈硬化症

山梔子(さんしし)を服用していた症例が多く報告されています。(2014, 大津)(2016, 渡辺)(2007, Chang)
加味逍遙散、黄連解毒湯に含まれる山梔子の長期服用が原因であると考えられています。服用期間は、論文では最低で4年間服用した症例が報告されています。
山梔子に含まれるゲニポシドは回盲部、特に盲腸で腸内細菌のβ-グルコシダーゼにより加水分解されてゲニピンとなり、これがアミノ酸やタンパク質などと反応すると青色を呈します。これが大腸の着色、および腸間膜静脈の線維化・石灰化を起こすと考えられています。
初期症状として、腹痛(特に右側)、下痢、吐き気、便潜血陽性などがあります。無症状の場合も多いです。。進行した場合は、腸管の浮腫、狭窄、イレウス(腸閉塞)などが起こり、重症化すると手術が必要になることもあります。
