新型コロナワクチンの繰り返し接種は膵臓がんの予後不良因子となる

COVID-19ワクチンの繰り返し接種は、スパイク特異的免疫グロブリンG4(IgG4)を増加させることが知られており、がん免疫への影響が懸念されています。本研究は、膵臓がん(PC)患者79名におけるCOVID-19ワクチンの繰り返し接種と予後との関係を調査しました。

PC患者の全生存期間(OS)は、3回以上のワクチン接種を受けた患者で短縮し、総血清IgG4値はワクチン接種回数とともに増加しました。注目すべきことに、①高IgG4群ではOSが有意に短縮し、腫瘍組織中のFoxp3陽性細胞が増加しました。②反復ワクチン接種はスパイク特異的IgG4値を増加させ、③スパイク特異的IgG4と総IgG4の間には正の相関が観察され、④COVID-19ブースターワクチンの繰り返し接種は、PC患者の全生存率の低下と関連していることがわかりました。(2025, Abue)