感冒(風寒・風熱)の中医治療のコツ・理解
風寒(無汗、咽頭痛なし)は、羗活・独活・炙甘草・防風・川芎が基本。
風熱(有汗、咽頭痛あり)は、牛蒡子・薄荷・生甘草・金銀花・連翹・桔梗が基本。
症状が一週間を超えて伝変して内傷(咳嗽、膿耳、鼻淵、喉痺、哮喘)が出れば、それぞれの弁病として治療を行う。

■病因病機
風寒:寒邪が束表(表に客する)→①衛陽の温煦作用が出来ないので悪寒、体温が発散されないため発熱=「悪寒発熱」
②表実のものは毛竅が閉塞して無汗(寒邪は収縮)、表虚のものは毛竅が失調して自汗
③肺気の宣降失調、津液の流布の障害→鼻閉・鼻汁・咳嗽・喀痰
風熱:熱邪が肌表に鬱する(表に客する)→①腠理は開いて発汗
②熱邪が肺衛を侵襲して、肺気の宣降失調、津液の流布の障害、津液の損傷→鼻閉・鼻汁・咳嗽・喀痰、口渇
③熱邪が拡散(寒邪は収縮)→咽を侵襲して咽頭痛
「熱則皮膚緩,氣泄矣」《素問》熱は皮膚をゆるめ、開かせて汗や気を漏らす
「寒氣客於肌膚之間,腠理閉,汗不得出」《傷寒論》寒邪は毛穴を閉じ、汗の排出を妨げる
火熱則氣行《素問》熱が気を動かし、全身に波及する