ワクチンの終生免疫と長短・寿命形質細胞

まとめ:LLPC(長寿命形質細胞、long-lived plasma cells)が高量・高質である→骨髄に定着した場合に終生免疫が得られます。

HPVおよびB型肝炎ワクチンでは、自然感染よりワクチンの方が強い免疫を誘導する逆転現象が起こっています。


LLPCの量・質による免疫持続の比較

疾患 / ワクチン自然感染ワクチンLLPCの量・質抗体持続性
麻疹あり生ワクチン高量・高質終生免疫
風疹あり生ワクチン高量・高質終生免疫
水痘あり生ワクチン高量・高質数十年(終生に近い)
天然痘あり生ワクチン高量・高質終生免疫
黄熱あり生ワクチン高量・高質終生免疫に近い
B型肝炎不十分(自然感染では慢性感染リスクあり)サブユニットワクチン中量・中質(アジュバントで補強)10年以上
HPV不十分(自然感染で局所抗原刺激のみ)サブユニットワクチン中量・高質(アジュバントでGCを延長)10年以上
インフルエンザ中量・中質(抗原変異により記憶が不十分)不活化ワクチン低量・低質(短寿命形質細胞主体)数か月~1年
百日咳中量・中質(自然感染である程度GCが誘導される)無細胞ワクチン低量・低質(短寿命形質細胞主体)数年(3~5年で減衰)
新型コロナ(SARS-CoV-2)中量・中質(抗原多様性あり)mRNAワクチン低量・中質(短寿命形質細胞主体)数か月~1年程度(ブースターで維持可能)