<症例>新型コロナワクチン接種後のめまい、ふらつき、関節痛の寛解例

66歳、男性、無職

新型コロナワクチン7回接種後に、めまい、ふらつき、関節痛、ブレインフォグ、食欲不振、体重減少、不眠が出現してため、大学病院などあちこちの病院を受診する。PS5(軽作業は出来るが就労レベルではない)。症状が改善しないため、当院に初診となる。

煎じ薬は作れないとのことで、下記の散剤で治療する。食事療法と栄養療法を併用。

弁病:眩暈、虚労、健忘、痺証

弁証:気血虧虚、肝血虚、湿熱伏在膜原、風寒湿痺

治法:気血双補、補血調血、開達膜原、祛風湿、通絡止痛

方薬1)達原飲三味(檳榔子末1.2g、厚朴末1.2g、草果末1.2g 分2 送服)

2)黄耆末2g、桑枝末2g、防已末1g、忍冬1g、独活1g、薏苡仁1g 分2 送服

3)エキス剤四物湯7.5g 分3 食間

初診後、約5ヶ月でほとんどの症状は改善し、他院で出されていた投薬はすべて中止できた。PS2レベル(就労レベルであるが、しばしば休息が必要)まで寛解。

コメント:煎じ薬が作れない場合でも、散剤である程度の改善は見込めた症例。ただし、非リウマチ性の膝、手指などの関節痛は半分程度に改善したレベルで完治はしていない。他院からの薬の減薬に追われていたため、水蛭五味除去散を出すタイミングを失って処方していないが、症状は寛解レベルまで改善した。他院からの多剤の中止によって、めまいとふらつきが改善した可能性は否定できない。