<症例>新型コロナワクチン接種後に発症した関節リウマチの寛解例

68歳、男性、無職

新型コロナワクチン2回接種後に、関節リウマチを発症。両手指第二、第三関節、両膝、両足首の疼痛、腫脹を認めた。冷え性(腎陽虚)あり。

当院で煎じ薬での治療を開始。

弁証:湿熱痺、瘀血阻滞、腎陽虚

治法:祛風湿、清熱解毒、通絡止痛、活血化瘀、平肝補血

1)牡丹皮5,乾地黄5g、地竜5g、炙甘草3g、青蒿7g、土鼈甲10g、忍冬藤10g、局方防已5g、桑枝10g、白芍7g,当帰5g、白僵蚕5g

2)水蛭五味除去散半量(栝楼実末1g、水蛭末0.45g、莪朮末0.5g、鶏血藤末0.7g、全蠍末0.2g 分2 送服)

約半年間の治療で、両手指の症状は完治したが、下肢の症状は軽度改善までで完治はしていない。

コメント:関節リウマチの典型的な症状である両手指第二、第三関節の症状は、木田正博先生のI方:実痺基本方(中医臨床103〜105)で比較的簡単に治癒します。一方で、それ以外の関節、特に下肢は、重力の関係で湿や瘀血が留まりやすい部位で、簡単ではありません。

また、この方の場合は腎陽虚による温煦力不足のため、寒湿が留まって治りにくいと考えます。

今後は下肢の症状に対して、補陽薬、散寒薬の併用を検討して行く予定です。