＜症例＞新型コロナワクチン接種後に発症した再発性帯状疱疹の寛解例

49歳、男性、会社員

新型コロナワクチン接種後に、腹部と大腿部に痛みを伴う帯状疱疹を発症した。皮膚科で抗ウイルス剤をもらって一旦湿疹は消失したが、その後も過労や睡眠不足などをきっかけとして、再発を繰り返すようになったため当院に初診となった。発病後に冷え性になってきた。

煎じ薬による治療を開始した。

弁病：蛇串瘡、虚労

弁証：肝経火盛、気滞血瘀、腎陽虚

治法：瀉肝解毒、理気活血、通絡止痛、散寒止痛

１）山梔子５ｇ、牡丹皮６ｇ、赤芍９ｇ、竜胆６ｇ、桂皮４ｇ、呉茱萸３ｇ、沢瀉６ｇ、独活６ｇ、威霊仙６ｇ、延胡索６ｇ、紅花６ｇ、当帰５ｇ、炙甘草３ｇ分２　食間

２）水蛭八味除去散半量（栝楼実末１ｇ、水蛭末０．４５ｇ、莪朮末０．５ｇ、鶏血藤末０．７ｇ、全蠍末０．２ｇ、檳榔子末０．６ｇ、厚朴末０．６ｇ、草果末０．３ｇ　分２　送服）

服薬後、３ヶ月で再発はしなくなり、痛みも無くなり冷え性も治ってきた。

コメント：新型コロナワクチン接種後に単純疱疹や帯状疱疹になるケースが多く報告されてます。免疫系が抑制されており、中医学的には気虚（衛気の衰退）や陽虚（冷え性）と関係しています。再発を繰り返すケースは、煎じ薬で繰り返す再発を止めることは可能です。気虚や陽虚の症状が治まったことを確認してから、煎じ薬を減らして行きます。

新型コロナワクチン接種以後で帯状疱疹が増えている証拠として以下があります。（厚生労働省のNDPオープンデータを使って分析）