生薬と抗酸化作用
中国伝統生薬45種を対象にして、抗酸化活性を「酸素ラジカル吸収能(ORAC)アッセイ」により分析しました。その結果、水抽出液における抗酸化活性(ORAC値)は 40~1990 マイクロモル・トロロックス相当/g の広範な範囲を示しました。特に抗酸化活性が高かった生薬として、Spatholobus suberectus(鶏血藤)、Sanguisorba officinalis(地楡、止血)、Agrimonia pilosa(仙鶴草、止血)、Artemisia anomala(牡蒿(ぼこう)、清熱利湿)、Salvia miltiorrhiza(丹参)、Nelembo nucifera(荷葉(かよう)、祛暑)などが挙げられています。(2008, Liao)
中医生薬の中で伝統的に心血管疾患に使われる丹参、川芎、益母草、牛膝、茶葉(清熱瀉火)は、強力な抗酸化成分を含んでいます。(2004, Zhu)
芍薬、白朮、当帰、黄耆、甘草、大黄の生薬は、組み合わせる(薬対)ことによって、より強い抗酸化作用を発揮します。(2009, Jian)
中国伝統生薬40種を対象にして、抗酸化力を測定した結果、地楡、桂皮、桑寄生、檳榔子、黄芩が高い値を示しました。(2008, Chan)
中国の薬膳料理で一般的に使用される25種類の生薬について、様々な抗酸化活性を定量的に調査しました。菊花、山査子、甘草、洛神花(清熱)、決明子、枸杞子の抗酸化活性が高く、茯苓、薏苡仁の抗酸化活性が低かったです。(2008, Lee)
