メチレンブルー

まとめ:低用量メチレンブルーは新型コロナ後遺症、ワクチン後遺症に対する保護効果として、ACE2阻害、複製阻害、オートファジー、ブレインフォグ、ミトコンドリア強化、抗老化作用があります。

最初の合成医薬品であるメチレンブルー(Methylene blue)は、140 年の歴史を持ち、医療と染色試薬の両方でさまざまな用途に使用されてきました。医療では抗マラリア剤として、またタウタンパク質の凝集を阻害してアルツハイマー病などの神経変性疾患の治療薬として関心が高まっています。(2011, Schilmer)

メチレンブルーは、AMPKを活性化してオートファジーを誘導します。(2013, Xie)

メチレンブルーは、ミトコンドリアの生化学的経路を強化します。(2008, Atamna)

メチレンブルーは、一般的な抗酸化剤やミトコンドリアを標的とする抗酸化剤と比較して、皮膚線維芽細胞の増殖を刺激し、皮膚細胞の老化を遅らせるのにより効果的です。(2017, Xiong)

伝統的なミトコンドリアを標的とする抗酸化物質であるメチレン ブルー は、健康なドナーおよび遺伝的早期老化疾患である早老症の患者に由来する培養ヒト皮膚線維芽細胞において、強力な ROS 除去効果を示しました。(2016, Xiong)

重度の新型コロナ感染症に対して、メチレンブルー、ビタミンC、Nアセチルシステインの投与が有効であり、一酸化窒素、酸化ストレス、サイトカインカスケード症候群につながるマクロファージ活性化の悪循環に対して保護的に作用すると考察されています。(2020, Alamdari)

メチレンブルーは、新型コロナウイルスの結合する ACE2を阻害して、抗ウイルス活性を発揮します。(2021, Bojadzic)

メチレンブルーは in vitro で、 新型コロナウイルスの複製を阻害します。(2020, Gendrot)

メチレンブルーは、MAO(モノアミンオキシダーゼ)阻害剤として働いて抗うつ効果があります。SSRIと同時に使うとセロトニン症候群を起こすリスクがあります。(2010, Stanford)

メチレンブルーは、脳血液関門を容易に通過して脳内に移行し(2000, Peter)、抗癌剤によるブレインフォグの治療に有効であること(2000, Perglims)から、新型コロナ後遺症およびワクチン後遺症のブレインフォグへの有効性が期待できます。(2022, Hepburn)

海外では、サプリとして販売されています。

妊娠中または授乳中の方はメチレンブルーは服用できません。

メチレンブルーは、うつ病(1987, Neylor)やPTSD(2017, Zoellner)に対する有効性が報告されています。

メチレンブルーは可逆的なモノアミンオキシダーゼ阻害剤としての作用を持つため、SSRIなどの抗うつ剤と併用するとセロトニン症候群を起こすリスクがあります。(2015, Weingarten)

メチレンブルーは、日本では観賞魚の寄生虫に対する殺菌剤として販売されていますが、高濃度では発癌作用があります。(2020, Lieke)