ヒドロオキシクロロキニンとケルセチン

まとめ:ヒドロオキシクロロキニンとケルセチンは、自己免疫疾患に対する有効性が指摘されています。どちらも作用発揮に亜鉛が必要です。ヒドロオキシクロロキニンに比べてケルセチンはより安全に使用できます。

ヒドロオキシクロロキン(Hydroxychloroquine)と ケルセチン(Quercetin)の免疫調節作用と抗ウイルス作用のメカニズムが類似しており、免疫のゲイトキーパーの亜鉛が両者の作用に関与しています。(2020, Anwer)(2020, Schettig)

フラバン(flavan)の構造式を持つ植物化学物質は、植物の色素成分でフラボノイドと呼ばれ数千種類存在します。

アピゲニン、ナリンゲニン、ルテオリン、ケルセチン、バイカリン、エピガトカテキンガレートなどがフラバン構造です。

フラバンの構造式を持つフラボノイドは、作用機序として亜鉛を利用していると考えられています。(2014, Dabbagh-Bazarbachi)(2020, Schetting)

ヒドロオキシクロロキニンと同様に、ケルセチンの自己免疫疾患に対する有効性が指摘されています。(2021, Shen)(2022, Tang)(2010, Milenković)

ヒドロオキシクロロキニンは、リソソーム内腔アルカリ化剤としてオートファジーを阻害します(2013, Yang)が、ケルセチンはAMPKを活性化してオートファジーを促進します。(2013, Dechandt)

ケルセチンの毒性については、心毒性や発がん性などの報告はありません。1000 mg/日を超える濃度で数か月間ケルセチンを投与しても、血清電解質、腎臓、肝機能の血液パラメーター、または血液学に副作用は見られません。(2020, Batiha)