喘息(哮喘)の中医治療
喘息は、中医学では哮喘または哮病と呼ばれます。
喘証(呼吸困難)との鑑別は、哮喘では「ゼーゼーという喉中痰鳴を発する喘息発作を反復すること」が鑑別点です。
発作期 | ||
冷哮 | 悪寒、痰薄いまたは白色、口渇なし、寒さで発症 | 初期:九宝湯加半夏、茯苓 |
発作期:厚朴麻黄湯、射干麻黄湯、小青竜湯 | ||
緩解期:神秘湯または蘇子降気湯 合 六君子湯 または 参蘇温肺湯 | ||
熱哮 | 発熱、痰黄色・粘調、口渇、暴飲暴食 | 越婢加半夏湯 |
緩解期:定喘湯または費氏鵝梨(がり)湯 | ||
緩解期 | ||
脾肺気虚 | 納呆、便溏、顔面四肢浮腫、 | 四君子湯 |
肺腎両虚 | 腰膝酸軟、耳鳴り | 四君子湯 合 金水六君煎 |
哮病危証 | ||
陽気暴脱 | 哮病中の吐瀉、痙攣、脱力、油汗 | 四逆湯 加 人参 |
九宝湯:麻黄、杏仁、甘草、薄荷、生姜、葱白、肉桂、紫蘇葉、陳皮、大腹皮
厚朴麻黄湯:麻黄、細辛、半夏、五味子、乾姜、厚朴、小麦、杏仁、石膏
射干麻黄湯:麻黄、細辛、半夏、五味子、射干、生姜、大棗、紫苑(しおん、止咳平喘)、款冬花(かんとうか、止咳平喘)、五味子
小青竜湯:麻黄、細辛、半夏、五味子、生姜、桂枝
神秘湯:陳皮、桔梗、紫苑、五味子、人参
蘇子降気湯:紫蘇子(止咳平喘)、半夏、肉桂、当帰、炙甘草、前胡、厚朴、生姜、大棗、紫蘇(辛温解表)
参蘇温肺湯:六君子湯(人参、白朮、茯苓、炙甘草、半夏、陳皮、厚朴、生姜、大棗)、肉桂、紫蘇葉、五味子、木香(もっこう、行気)、桑白皮、生姜
越婢加半夏湯:麻黄、石膏、半夏、生姜、大棗、甘草
定喘湯:白果、麻黄、款冬花(かんとうか、止咳平喘)、桑白皮、半夏、紫蘇子、甘草、杏仁、黄芩
費氏鵝梨湯:鵝管石(がかんせき、清化熱痰、鍾乳石)、瓜蓑仁、杏仁、茯苓、半夏、紫蘇子、麻黄、貝母、橘紅、竹瀝(ちくれき)、梨汁、姜汁
四君子湯:人参、甘草、茯苓、白朮
金水六君煎:当帰、茯苓、半夏、熟地黄、陳皮、炙甘草、生姜
四逆湯:炙甘草、枳実、柴胡、芍薬
哮証基本方加減:麻黄、杏仁、五味子、前胡、麦門冬、百合、半夏、栝楼実、紫蘇子、白僵蚕、人参、炙甘草