多夢の中医治療
多夢とは、睡眠中に夢をよく見ることです。多夢は、虚証に多く、気血の不足、陰液の不足で起こりやすくなります。
心脾両虚 | 浅眠、驚きやすい、納呆、腹が腫れる、便溏 | 帰脾湯加減 |
心腎不交 | イライラ、心煩(しんぱん)、動悸、めまい、耳鳴り、腰膝酸軟、潮熱(ちょうねつ)、盗汗 | 黄連阿膠湯、交秦丸 |
心胆気虚 | 悪夢、ビクビク、オドオド、動悸 | 安神定志丸、酸棗仁湯 |
痰火内擾 | 頭のふらつき、痰が多い、イライラ、易怒、胸苦しい、舌苔が黄膩(おうじ) | 黄連温胆湯 |
帰脾湯:酸棗仁3、茯苓3、人参3、黄耆3、当帰2、竜眼肉3、白朮3、大棗2、遠志、木香、甘草、生姜
黄連阿膠湯:黄連、黄芩、白芍、鶏子黄(けいしおう)、阿膠
交秦丸:黄連、官桂(肉桂)
安神定志丸:人参、茯苓、遠志、石菖蒲、竜歯
酸棗仁湯:酸棗仁、甘草、知母、茯苓、川芎
黄連温胆湯:竹筎、枳実、半夏、橘紅、茯苓、炙甘草
健康な状態では、心陽は下降して腎を温め、腎陰は心に上注して、心火が亢進しないように冷やしている。この関係を、「心腎相交」または「水火既済」と呼びます。
この協調関係が失われた状態が、心腎不交で、心火上炎、陰虚火旺、腎陰虚の症状がみられます。