項強・頸項痛・背痛の中医治療

■項強（こうきょう）とは、項部から背部にかけて筋肉が強直し、項部の運動が困難なことです。

外感風寒	悪寒＞発熱、無汗、身体痛	舌苔薄白、脈浮緊	葛根湯加減
外感風湿	頭重感、肢体酸痛	舌苔白、脈浮	羌活勝湿湯
熱盛傷津（髄膜炎）	項背部のこわばり、後弓反張、高熱、意識障害	舌質紅、舌苔黄・乾燥、脈弦数	増液承気湯
金創風毒（破傷風）	項背部のこわばり、後弓反張、	脈弦緊	玉真散
腎気上攻	背痛、項強

葛根湯：葛根、麻黄、桂枝、生姜、大棗、甘草、白芍

羌活勝湿湯：羌活、独活、藁本、防風、川芎、蔓荊子、甘草

増液承気湯：玄参、麦門冬、生地黄、大黄、芒硝

玉真散：天南星、防風、白芷、天麻、羌活、附子

■頸項痛とは頸項部の疼痛を自覚することです。

外感風湿	悪寒、発熱、汗が出るが解熱しない、頭重感、肢体酸痛	舌苔白、脈浮	羌活勝湿湯
風熱挟痰	悪寒、発熱、咽痛、口渇、側頸部の多発性リンパ節腫	舌質紅、舌苔黄、脈弦数	牛蒡解肌（げき）湯
扭傷（じょうしょう、捻挫）	頸部の激しい動きで捻挫、動かすと痛みが増強、咳・深呼吸で痛みが加重		大活路丹
落枕（らくちん、寝違え）	睡眠時の不適切な頸部の位置で発症、動かすと痛みが増強、背部・肩部に痛みが放散		葛根湯加減

牛蒡解肌（げき）湯：牛蒡子、薄荷、荊芥、連翹、山梔子、牡丹皮、石斛、玄参、夏枯草

大活路丹：白花蛇、烏梢蛇、大黄、川芎、黄芩、玄参、青皮、甘草、木香、藿香、白芷、天竺黄、豆鼓、肉桂、香附子、黄連、附子、地竜、竹節香附、麻黄、白朮、羌活、何首烏、沈香、熟地黄、天麻、虎骨、全蠍、松香、細辛、白僵蚕、烏薬、乳香、骨砕補、血竭（ちけつ）、威霊仙、茯苓、丁香、没薬、当帰、葛根、人参、亀板、白豆蔲、赤芍、防風、麝香、竜脳、犀角、牛黄、朱砂、安息香

■背痛

風寒	背部のこわばり、重だるさ、悪寒	舌苔薄白、脈浮緊または弦細緊	羌活勝湿湯加減
気血凝滞	起床時に背痛、肘がしびれ動き始めると減弱	舌質青、舌苔薄、脈沈細または細渋	蠲（けん）痺湯合活路丹

蠲（けん）痺湯：延胡索、川楝子、小茴香、牛蒡子、当帰、青皮、木香、烏薬、全蠍、姜汁

活路丹：烏頭、地竜、製南星、乳香、没薬