除去散ブースター
まとめ:除去散の作用を助ける(補法)の散剤を開始しました。
ワクチン後遺症の患者さんに、木田正博医師が開発した除去散が多数の医療機関で現在使われています。
除去散は、体内の異物を排除する目的で使われますが、重症の方や、身体が弱っている方には効果が出にくい場合があります。
後遺症の発病メカニズムは、中医学的には体内に残存するスパイクタンパク質などが、身体の中の流れを悪くして症状が出てきます。

経絡(気血が流れる基本の通路)や膜腠(膜で挟まれる、または包まれた空間で気血津液が流れる)に、ワクチンの残存関連物質のスパイクタンパク質などが詰まって、気血津液の流れが悪くなり(阻滞)、様々な症状に繋がります。
この阻滞された流れの改善する作用を「通絡」といいます。これが除去散の主要作用です。
この通絡の作用を助ける、強くする方法が、気血津液を補う補法を併用する方法です。
中国医学には、補法と瀉法があり、補瀉とまとめて呼ばれます。
補法は身体に足りないもの(虚証)を補う方法で、瀉法とは身体にとって不要なもの(実証)を取り除く方法です。
瀉法は身体に負担をかけるので、虚証の強い方には使うことが出来ません。
これが、除去散を少な目に飲んだほうが良い場合がある理由であり、除去散が一般販売されていない根拠です。
除去散を通常量飲めない方は、半量などに減らしながら服薬するのが一般的ですが、出来れば合わせて補法を行います。
また除去散で効果が不十分な方は、補法を併用することで作用を増強することが出来ます。(ブースター効果)
一般的には補法として、エキス剤の六君子湯、十全大補湯、人参養栄湯が使われています。
ただし、大きな問題は中医学で使われる量に対して、エキス剤漢方は一般的に非常に少ない量になっています。
六君子湯 | 人参 | 白朮 | 茯苓 | 半夏 | 陳皮 | 甘草 | 大棗 | 生姜 |
エキス剤 | 4 | 4 | 4 | 2 | 2 | 1 | 2 | 1 |
中医学 | 5 | 6 | 7 | 7 | 6 | 3 | 6 | 3 |
十全大補湯 | 黄耆 | 桂皮 | 地黄 | 芍薬 | 白朮 | 当帰 | 人参 | 茯苓 | 甘草 | 川芎 |
エキス剤 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 1.5 | 3 |
中医学 | 7 | 4 | 7 | 6 | 6 | 5 | 5 | 7 | 3 | 5 |
人参養栄湯 | 黄耆 | 桂皮 | 地黄 | 芍薬 | 白朮 | 当帰 | 人参 | 茯苓 | 甘草 | 遠志 | 陳皮 | 五味子 |
エキス剤 | 1.5 | 2.5 | 4 | 2 | 4 | 4 | 3 | 4 | 1.5 | 2 | 2 | 1 |
中医学 | 7 | 4 | 7 | 6 | 6 | 5 | 5 | 7 | 3 | 5 | 6 | 3 |
補法を行う場合は、エキス剤よりも中医学の煎じ薬で行う方法が有効性が期待できます。
煎じ薬が苦手な方は、現在補法を散剤で行うことも可能です。(ただし、一部の生薬は散剤に出来ません。)
