<症例>新型コロナワクチン接種後に発症した頭痛の完治例
24歳女性、会社員、PS2~3
4回目の新型コロナワクチン接種3週間後ぐらいから、頭痛が発生してきた。頭痛が一進一退で、会社を休むことが多くなった。内科や脳外科で投薬を受けるが、ほとんど効果がなかった。同時に、羞明がありいつもカーテンを閉じている。冷え性にもなった。
当院で煎じ薬で治療開始。
牡丹皮5g、延胡索7g、山薬5g、山茱萸9g、防已5g、大棗6g、威霊仙6g、桃仁5g、人参5g、黄耆7g、独活5g、忍冬9g、紅花6g、炙甘草3g、䗪虫3g、桑枝10g、五霊脂7g,代赭石10g、青蒿7g
半年ぐらい継続して、頭痛は半分程度になった。
水蛭五味除去散を併用していたが、飲みにくいという理由で約5ヶ月で中止する。
約9ヶ月で頭痛はほとんどなくなり治療終結となる。
コメント:ワクチン後遺症としての頭痛はよくある症状です。頭痛の場所が移動する肝陽頭痛と弁証して寛解するケースもありますが、場所が固定している瘀血頭痛のケースもあります。煎じ薬と水蛭五味または八味除去散を組み合わせて、最低半年は治療を継続する必要があると考えています。通絡(気血津液の経絡や膜腠での流れを改善すること)が十分に行き渡るのにそれぐらいは最低時間がかかります。除去散だけをサプリ的に使用しても、同時に補法で身体を正常な状態に戻さないと治療効果が不十分となります。扶正祛邪(正気を高めて身体を正常化させて、邪を排除する)が原則です。最初は少ない生薬で治療開始しましたが、全く効果が出ないので、最終的に上記の量になりました。冷え性に対して、一時的に呉茱萸3gを使いましたが、冷え性が解消されたので中止しました。