コレステロールのガイドライン
動脈硬化学会と日本脂質栄養学会の間で、論争が続いています。
長く論争が続くと言うことは、どちらかに莫大な利益が絡んでいるということです。
以下が、日本動脈硬化学会の指針です。
日本脂質栄養学会の指針を要約します。一部割愛しています。
1.食事と総コレステロール値は無関係。
2.コレステロールを含む卵や肉などを多く摂取して、植物油を減らす食事が、生活習慣病に有効である。
3.家族性高コレステロール血症と一般の高コレステロールを分けて考えるべき。
4.中年以降は総コレステロール値が低いと、総死亡率が上がる。
5.動脈硬化の予防に対して、女性に対しては、スタチン剤は原則不要、男性に対してもほぼ不要。
6.悪玉コレステロール、善玉コレステロールの概念は根拠が崩れ去った。
7.中性脂肪も、家族性高脂血症を例外として考える。
8.動脈硬化の予防のためには、オメガ3脂肪酸の摂取を増やし、オメガ6脂肪酸を減らす。
9.家族性高コレステロール血症にも、同じ栄養指導を勧める。
10. 脳卒中も総コレステロール値が高い方が、発病率が低く、予後も良好である。
11. 植物油脂を避けて、肥満にならない程度に動物性脂肪を摂取することを推奨する。
さらに要約すると。
1.家族性高脂血症の人の治療と、一般の高脂血症の人を分けて考えるべき。
一般の高脂血症の人の治療的介入はほぼ不要。
2.オメガ6脂肪酸を多く含む植物性油を減らし、動物性油やオメガ3脂肪酸を増やす栄養指導という視点が忘れ去られている。
さらに問題点を指摘すると、日本動脈硬化学会や米国のAHAも、最新のメタアナライシスを行った総論を論拠にしています。
しかし、この最新の総論は、2004年以前の論文のデータが含まれています。
2004年にEUで、臨床試験の公明性・客観性を確保するための新法が発効されましたが、2004年以前の論文は製薬会社の影響が強く反映されており、問題視されています。
最新の総論に、製薬会社の影響の強い古いデータを混入させるというトリックです。
指摘されているもう一つのトリックは以下です。
家族性高コレステロール血症の人を分けると以下になります。
アメリカでは、LDLコレステロールの基準値は、薬物治療開始ラインが190mg/dl以上です。
これは家族性高コレステロール血症を見落とさないための指針です。