亜鉛を飽和させる

2019年10月16日

体内で必要な必須ミネラルの中で、亜鉛は特に重要なミネラルです。

ミネラルの検査をしていると、正常な人は1人もいませんし、正常に近い人もいません。

頻度的には、アルミニウムの過剰症がほぼ全員で、次いでカドミウム、水銀の順番です。

周期表で見ると、亜鉛、カドミウム、水銀は同族元素です。

必ず亜鉛欠乏と、カドミウム過剰および水銀過剰がセットで出現しています。

亜鉛の体内貯蔵を調べる方法は、これまで血清亜鉛とアルカリフォスファターゼ(ALP)でしたが、他のミネラルの指標に比べると全く当てになりません。

日内変動が大きく、個人差が大きいので、一般的な正常値の概念が当てはまりません。

亜鉛欠乏症の診断指針では、血清亜鉛値 60μg/dL未満となっていますので、これだけはチェックしておいた方が良いですが)

個人内での変動を見るための目安程度の認識で、正確に把握するにはオリゴスキャンがベターだと思います。

亜鉛、カドミウム、水銀の同族元素を生体内で管理しているのは、メタロチオネインというタンパク質です。

メタロチオネインの金属イオンに対する親和性は、水銀>カドミウム>銅>亜鉛の順番です。

一方で生体内の(必要)量は、水銀 0.008g、カドミウム 0.035g、銅 0.05g、亜鉛 1.5gと逆になっています。最大で200倍もの差があります。

メタロチオネインの解毒能力のために、体内に過剰な水銀やカドミウムがあると、メタロチオネインが過剰に誘導されて、相対的に亜鉛の欠乏が起こってきます。

これが多くのケースで、亜鉛欠乏とカドミウム過剰および水銀過剰がセットで起こる理由です。

逆に言えば、カドミウムと水銀のデトックスが出来なければ、亜鉛欠乏症は治りません。

生体のミネラルは、拮抗関係があり、椅子取りゲームを行っています。

必須ミネラルを十分に摂って、有害ミネラルを追い出す(薄める)のが基本戦略です。

亜鉛過剰については、過剰分は膵液から排出されて、毒性も低いとされています。

亜鉛過剰になると、これもメタロチオネインの作用で、拮抗元素かつ必須ミネラルである銅欠乏症が起きて、ミエロパチー貧血を起こすことがあります。

銅欠乏症は、血清銅および血清セルロプラスミンから容易に診断出来ます。

銅欠乏症に注意しながら、亜鉛を十分量を摂って、有害ミネラルのカドミウムと水銀を追い出す方が良いと思います。