アルカリフォスファターゼ(ALP)

アルカリフォスファターゼ(ALP)は、γ-GTPと共に胆道に多く存在する「胆道系酵素」と言われています。

胆道の流れが止まったときに(胆汁うっ滞、胆管閉塞)、胆管上皮細胞から誘導されて上昇してきます。

またALPとγ-GTPは、刺激によって誘導される「誘導酵素」です。

個人差が大きいので、正常値という概念が適応しにくいので、個人間のALPの変化を見て、胆道系に問題が発生したなどと推察します。

その他にも全身、特に骨にも存在する酵素であり、骨形成の刺激に誘導されて、成長期の子供では高値になります。

20歳までは、ALPは高値になり、大人の4~5倍になることが多いです。

LDHも年齢による変動があり、新生児で大人の1.5〜2倍、10ヶ月でピークとなり大人の2倍で、14〜15歳で大人と同じレベルになります。

構造の一部としてミネラルを要求するが、これらのミネラルが少ないとALPが失活するので、Zn欠乏、Mg欠乏の指標となります。(おおまかな目安程度)

MgはALPの活性化剤であり、ZnはALPの構成金属イオンです。低マグネシウム食はALP活性の低下と関連しており、Mg欠乏食を与えられたラットはALP活性の低下を示しましたが、食事にMgを追加することで回復します。血清Mgおよび血清Znは、ALPと相関することが報告されています。(2017, Ray)

LDHも亜鉛金属酵素ですが、組織が破壊された時に血中に逸脱して上昇する逸脱酵素であるため血清亜鉛とは相関しませんが、ALPは誘導酵素であるので血清亜鉛と相関します。