フソバクテリウム属と大腸癌

2019年12月4日

Fosobacterium nucleatumは、一般には口腔内に存在するグラム陰性偏性嫌気性菌で、歯周炎や歯肉炎に関与すると言われています。

2011年から大腸癌とFosobacterium nucleatumとの関係性が指摘されています。

この大腸癌との関連については、2018年にShangらの総論が出ています。

大腸癌の組織中に発見されたFosobacterium nucleatumの比率ですが、バラツキはありますが高率に検出されています。

フソバクテリウム属=大腸癌ではなくて、フソバクテリウム属が多いと大腸癌のリスクが高くなるという話です。

大腸癌であっても、フソバクテリウム属が少ないケースもあり得ます。

発がん機序についてはサイトカインなどの炎症性物質など様々な仮説が立てられています。

大腸癌以外にも、Fosobacterium nucleatumは脳膿瘍、肝膿瘍などの報告もあります。

大腸癌の組織中のFosobacterium nucleatumのDNA量が生命予後と関連することが指摘されています。

つまり、フソバクテリウム属を多く持っていると、大腸癌のリスクが高くなると言うことです。

次世代型シーケンサーを使った腸内フローラバランスの検査のMykinso Proでは、このフソバクテリウム属の割合から大腸癌リスクを評価しています。

フソバクテリウム属に有効な抗生物質のメトロニダゾールなどによる治療の可能性も指摘されています。

大腸癌と食事の関係については、以前より様々な指摘がされており、総論も出ています。

赤身肉、加工肉、お菓子、精製糖質がリスクを上げて、食物繊維、オメガ3脂肪酸がリスクを下げることが指摘されています。特に水溶性食物繊維が勧められています。

フソバクテリウム属による大腸癌のリスクは、質素な食事(全粒穀物、野菜、魚)で下がることが報告されています。

最近の研究では、フソバクテリウム属以外の腸内細菌と大腸癌の関係も指摘されています。