BCGワクチンの矛盾

日本の結核患者数は激減しており、BCG接種の定期接種中止を国も検討しているそうです。

BCG接種の効果の持続期間は、10年程度である。→成人へは効果は不明

2011年にRodriguesらは総論で、BCGワクチンの結核菌の感染を防ぐ力は、10年程度しか持続しないと結論付けています。

2013年にAbubakarらは総論で、BCGワクチン接種の保護効果は時間とともに低下し、最大10年間続くことができると結論付けており、15年を超える保護効果に関するデータは限られていると報告しています。

BCG接種の成人の結核には有効率は不明、学童期の子供へは有効率が低い(25%)、乳幼児の重症結核への有効率は高い(77%)。

唯一有効な乳幼児の重症結核のためにBCG接種は行われている。

2006年にBourdinらが、小児期の結核性髄膜炎と粟粒結核に対する総論を出してますが、有効率は77%という結論です。

2012年にPereiraらが、学童期の子供のBCGワクチン接種の総論を出してますが、有効率は25%という結果です。

血行性に広がる乳幼児の重症結核には有効ですが、経気道感染する成人の肺結核には無効と言われています。

乳児の重症結核患者数が激減しており、接種スケジュールにも問題がある。

平成17年以降は患者数が激減しており、平成27年から平成30年の乳幼児の重症結核の年間新規発病者は2-4名(0歳)でした。

標準接種年齢が生後5か月から8か月に変更されていますが、乳幼児の重症結核の好発年齢は0歳(6ヶ月未満)です。

早く接種すると骨炎などの副作用や接種スケジュールの混雑の問題、遅く打つと好発時期に間に合わなくなり、ワクチンを接種する意味が無くなります。

日本はBCG接種を中止した先進国に比べて若干結核患者数が多いですが、BCG接種が唯一有効な乳幼児の重症結核は激減しており、感染者数のほとんどはBCG接種が有効でない成人です。

さいとう小児科内科クリニックのサイトを参考にしました。