Wahlsプロトコール〜その2

Wahlsプロトコールは自己免疫疾患などの現代病を治すための食事療法です。追加記事です。

100日間は、100%実践することが大切で、途中でイカサマをしないことです。

生野菜を大量に食べることは難しい場合は、煮たり、焼いたり、蒸したりしても構いません。最終的には、サラダやスムージーで摂取する方がより効果があります。

現代人の腸内フローラと土壌の細菌叢の多様性の低下が問題です。

出来るだけ多種類の野菜や果物、多種類の肉や魚を食べることを勧めます。年間200種類以上の食材を食べることを勧めます。それが、微量栄養素の補給や腸内フローラの多様性に繋がります。

野菜や果物を十分に摂取することで満腹になるため、問題を引き起こす穀物、砂糖、乳製品を減らすことが可能になります。

乳製品には、神経細胞を取り巻くミエリンの化合物と構造的に類似した化合物であるブチロフィリンが含まれています。分子模倣(分子構造が似たタンパク質に対して抗体が反応すること)により、腸から漏れたカゼイン分子を攻撃しようとする免疫細胞は、多発性硬化症の特徴であるミエリンをターゲットに攻撃します。

家族が一緒に食事療法を実践するケースでは、ほとんどの場合成功します。一方で家族が協力的でなく、標準的なアメリカの食事を食べている人々は、ほとんどの場合失敗する運命にあります。このため、食べ物について家族で話し合うことが重要です。

禁止されている食材を家に置かないようにします。

薬は答えではありません。それは本当の問題に包帯を巻くようなものです。

現代人は糖質を食べて血糖値を上げることによって食欲を抑えているので、糖質以外で食欲を抑えることは簡単でありません。

グルテン過敏症の人の約80%は乳製品と交差反応します。

小麦製品と乳製品が「コンフォートフード」(元気の出る食べ物)と見なされる理由は、実際にはアヘンのような中毒性のためです。

Wahlsプロトコールは三段階になっています。(Wahls Diet→Wahls Pareo→Wahls Pareo Puls)

レベル2のWahls PaleoはWahls Dietに似ていますが、少し制限がありますが、より治療効果があります。重度の自己免疫、神経学的、心理的、またはその他の慢性的な医学的問題がある場合は、Wahls Dietに適応した後すぐにWahls Pareoに移動することをお勧めします。

レベル2のWahls Paleoには、Wahls Dietに含まれるすべてのものが含まれており、次のコンポーネントが追加されています。

1.豆類、穀物、ナス科の野菜は反栄養素であるレクチンとフィチン酸を含んでいるので、ある程度は制限すべきです。穀物や豆類を完全に排除することが望ましいですが、このレベル2では、ある程度の制限としています。週に2皿を許可すると、友人や家族との付き合いがより柔軟にすることが出来ます。

グルテンフリーの穀物よりもでんぷん質のない野菜を多く食べ、果物よりも野菜を多く食べることをお勧めします。ボリュームのある炭水化物を避けることで、肉や魚などのタンパク質をより多く食べることが出来ます。

2.海藻または藻類と臓器肉を食事に加えます。海藻は重要なミネラルを追加し、臓器肉はコエンザイムQ10を追加します。

3.酵素を摂取するために発酵食品の摂取します。現代の食品の多くは、加工と調理のために酵素を欠いています。

レベル3のWahls Pareo Plusは、Wahls Pareoで効果不十分だった人が、糖質制限をさらに強くして、脂質の摂取量を増やしてケトン体質にする方法で、最も難易度が高い食事法です。ケトジェニックダイエットです。

進行性神経疾患を治療するためにケトン食療法が推奨されています。

レベル4:Wahls Elimination Dietこの食事療法のバリエーションは、他の3つのレベルのいずれにも組み込むことができます。

レクチンを含むすべてのナス科野菜を排除します:トマト、ピーマン、ナス、ジャガイモ(スイートポテトは大丈夫)そしてナス科から作られたスパイス(すべてピーマンベースのスパイス)。

レクチンは腸の内壁に損傷を与え、リーキーガットを引き起こし、自己免疫のリスクを高めます。

レクチンに対する自己抗体(IgM)は、脾臓で分解されるのに6ヶ月かかるので、この6ヶ月間はレクチン除去食を行う必要があります。

除去食を行った後に、チャレンジテストを行って食べることが可能か調べる方法があります。100日から6か月後、食材の再導入のテストを開始します。症状の再発に注意してください。チャレンジテストで試した食品に敏感であるかを調べます。再導入テストの結果に影響するため、除去期間中に除去された食品を一口も噛まないことが非常に重要です。

テストの手順は次のとおりです。脈拍を60秒間取り書き留めます。一口の食べ物を摂ります。よく噛んでから飲み込んでください。すぐにもう一度60秒間脈を取ります。それが10ポイント以上増加した場合、それは副作用です。

ほとんどの人は炎症が大幅に軽減された後には、ほとんどの食品(グルテンと乳製品を除く)を正常に再導入することができます。

レクチンは圧力釜で調理することで変性させることが出来ます。

私は実際の診療では、それほど厳格ではありません。加工されたがらくたを食べるのをやめなさい!と言っていますが、最終的には本人の選択に委ねています。

単に野菜を増やすことを選択する人もいれば、グルテンや乳製品を含まないことを選択する人もいます。体と病気のプロセスをできるだけ早く制御することを選択する人もいます。

私の実践スタイルは、食事と健康の関係、および4つの食事について患者を教育することです。私は彼らに最も適していると思う食事療法を提唱しています。それから私は彼らに選択肢を与え、その後彼らが何を学んだか、そして彼らの目標は何であるかを彼らに尋ねます。

私は経済的な問題を考慮しながら選択枝を示します、結局「何を食べるか」は患者自身の選択です。

平均的なアメリカ人は、食物繊維1日15gしか摂っていません。推奨量は30g、原始人は50g摂っていました。Wahlsプロトコールでは80gを摂取することになります。