自閉症と野菜
自閉症の方は、ほとんど例外なく偏食です。
人類の食文化を振り返ってみると、一日中歩き回って食料を探して、とにかく食べられるものを昆虫でも野草でも、選ばずに何でも食べてきました。

現代人の好きな物だけを選んで食べる食べ方とは反対です。

多種類の食材を食べる多食(造語)と一部の食材にこだわってしまう偏食は真逆の食べ方です。
自閉症の腸内フローラに問題があることが指摘されています。
2019年のLiuらは、β多様性の変化(健常者と多様性が異なっていること)、ビフィズス菌、ブラウティア、ダイアスター、プレボテラ、ベイロネラ、トリシバクターが一貫して減少し、ラクトバチルス、バクテロイデス、デスルフォビブリオ、クロストリジウムが健常者と比較してASD患者で増加したことを報告しました。
2019年のXuらは、アッカーマンシア、バクテロイデス、ビフィズス菌、パラバクテロイデスの割合が減少し、フィーカリバクテリウムの割合が健常者と比較して自閉症児で増加したことを報告しました。
自閉症児では量的には、エンテロコッカス、大腸菌、バクテロイデス、ビフィズス菌が少なく、ラクトバチルスが多くなってます。
2018年にHughesらは、自閉症における腸内フローラのこれまでに報告は、結果は不均一であり、しばしば矛盾していることを報告しています。
2020年にBezawadaらは、自閉症の子供の腸内フローラの報告をまとめて、自閉症の子供たちの存在量が有意に高いと報告されている種には、クロストリジウム、サテレラ、デスルフォビブリオ、ラクトバチルスであるが、調査結果は研究間で一貫性がないことを報告しています。
2020年にHoらは、自閉症の子供の腸内フローラの報告をまとめましたが、Prevotella、門レベルのFirmicutes、Clostridium perfringensを含むClostridialesクラスター、およびBifidobacterium種の識別可能なパターンを除いて、ASD研究全体で報告された腸内微生物の変化に一貫性がないことを報告しています。
諸説ありますがまとめると、「腸内細菌叢の多様性の低下とプレボテラの減少」が上げられます。

腸内フローラの多様性は、多種類の食物、特に多種類の水溶性食物繊維と関係しています。
プレボテラは、食物繊維を多く食べているアフリカ人や東南アジア人の腸内に多く存在すると言われています。
プレボテラは免疫とも密接に関係しており、自閉症の免疫調整不全とも合致します。
腸内フローラを決める最大要因は食事です。
自閉症の腸内フローラの改善には、出来るだけ多種類の野菜をたくさん摂って、腸内フローラの多様性を上げて、プレボテラを増やしていく方法があります。
積極的に食べるべき食材は、タンパク質と野菜です。

土壌の貧困化と食べ物の貧困化が、腸内フローラの貧困化につながっています。
