痩せすぎている人のための食事療法

まとめ:痩せすぎ(低体重)に対しては、①1日3回は、イモ類、果物、玄米、ソバなどの複合炭水化物を食べる。②遅延型食物アレルギーを調べて、グルテンフリーカゼインフリーなどを実施する。③高タンパク食(1.0~1.5g/kg/日)を実施する。④野菜を出来るだけ摂る高線維食を行う。

ほとんどの現代人は肥満の問題がありますが、一部の人は太れない、痩せすぎ(低体重)て困られている方もおられます。

拒食症などで、本人に食べる意思がない場合は、食事療法は実施出来ませんが、痩せすぎで困られている方も少なくありません。

痩せすぎると、体力・気力が出なくて活動しにくい、冷え性や不眠で困るなどがあります。

1.1日3回は、イモ類、果物、玄米、ソバなどを食べる。

痩せすぎている人の食事内容を聞いてみると、欠食、小食、断食のような食事をされています。肥満の食事療法では、やせホルモンのグルカゴンを分泌させるためにプチ断食が基本ですが、太るためにはグルカゴンの過剰な分泌を防ぐために欠食しないこと、つまり3食きっちり食べることが大事です。

間食については、消化器官を休ませるために、間食はせずに水などで水分補給だけが良いです。

米、パン、お菓子、ジュースのような精製糖質は、血糖値スパイクを招いて、その後にホルモンを大きく動かしますので、身体に余分な酸化ストレスを掛けます。精製糖質は避けて、複合炭水化物を摂る糖質選択は基本的に必要です。

糖質量については、身体の肉量を増やすためには、筋肉も脂肪も増やさないといけないので、糖質制限はゆるめのロカボ(1日糖質量100g〜150g)を勧めます。

必要量の糖質摂ることによって、筋肉が痩せる糖新生を抑制することが出来ます。

肥満ホルモンと呼ばれるインスリンは、老化や癌化に繋がるため、痩せすぎている人も低インスリンダイエットが基本です。結論としては、低グルカゴン・低インスリンダイエットになります。

2.遅延型食物アレルギーを調べる

極端な痩せ型の人は、グルテンアレルギーなどがあって、消化器官に問題がある場合が少なくありません。

血液検査で調べる方法もありますが、高価な検査なのでパルステストやチャレンジテストなどで調べる方法もあります。

問題となる食品を摂らないことによって、消化器官が回復して、本来の食欲が戻ってくることが多いです。

3.高タンパク食(1.0~1.5g/kg/日)

痩せすぎている方は、極端な低タンパクになっている人が少なくありません。食欲の問題もありますが、プロテインやボーンブロスなどで、必要なタンパク質量を摂取することが大事です。

動物性タンパク質の摂取量が少ないと、糖新生で摂取したタンパク質ではなく身体のタンパク質をより分解するために、代償的に甲状腺機能が低下がさらに起こってきます。

一方で、動物性タンパク質はグルカゴンの分泌を促進します(2019年、Mariaら)ので、プロテインなどで過剰にタンパク質を摂りすぎることは注意が必要です。

一般成人の場合は、1.0~1.5g/kg/日までの範囲での、タンパク質摂取が重要です。

タンパク質は、精製タンパク質のプロテインよりも、肉や魚や卵を食べるほうが有利です。

4.高線維食

小麦製品や乳製品を摂るために、下痢や便秘になっている方は非常に多いです。動物は本来は、イヌやネコのように排便した後に紙でお尻を拭く必要はありません。排便後に紙に便が付く人、快便でない人は食事に何か問題があります。

小麦製品や乳製品は、便秘にもなりますが、下痢も起こします。多くの人は下痢と便秘の混合型になっています。「毎日便は出ています」と言われますが、実際には腸内フローラは散々な状態になってます。

このためにグルテンフリー・カゼインフリーなどを実施すると、多くの人は下痢をしなくなって、便秘に傾きますので、それまで必要がなかった高線維食(野菜)を積極的に摂る必要が出てきます。

これが正しい食事の摂り方です。野菜が摂れて快便になり腸内フローラが改善すると、身体も精神もかなり安定してきます。