タンパク質の代謝

1.摂取した食事由来のタンパク質は、100%吸収されるのでは無く、10%は吸収されずに便に排泄されます。

吸収されなかった10%のタンパク質は、腸内細菌の腐敗菌のエサになります。

2.アミノ酸プールと体タンパク質は、一対一の関係にあるので、体組成に近いタンパク質、つまりホエイプロテインなどの動物性タンパク質を摂取することが大事です。

ソイプロテインなどだけを大量に摂取すると、ヒトの体タンパク質の組成と合致しないため、糖新生・脂肪合成およびオルニチン回路から捨てられるために、代謝効率で損をします。

3.1日に70gの消化管のためのタンパク質(消化管壁、消化酵素)が合成されます。これらは、脱落・分解・再吸収されて、アミノ酸プールに戻ります。吸収出来なかった一部のタンパク質(4.5g)は、便に排泄されます。

4.アミノ酸プールとは、他の物質の結合していないアミノ酸のことで、体内に一定量蓄えられており、約70g〜100gと言われています。。

アミノ酸プールから利用される経路の優先順位は、TCA回路と糖新生>体タンパク質合成>脂肪蓄積>オルニチン回路による排泄の順番です。

断糖療法で、タンパク質を摂取していてもBUNが上がらない理由は、摂取したタンパク質がTCA回路でエネルギー産生に、糖新生でブドウ糖に変換されるために、最終的に捨てられる尿素の量が減るからです。

ボディービルダーは、プロテインを沢山飲みますが、筋肉の分解(糖新生)を防ぐために同時に糖質もある程度摂取します。

三大栄養素の中で、糖質も脂質も摂らずにタンパク質だけを摂取する食事法では、タンパク質だけからTCA回路とブドウ糖を作らないといけなくなります。

ブドウ糖は、核酸の合成、赤血球および肝臓のエネルギー源として必須の栄養素です。