医者が教えない線維筋痛症について

WHAT YOUR DOCTOR MAY NOT TELL YOU ABOUT (TM): FIBROMYALGIA: The Revolutionary Treatment That Can Reverse the Diseaseを読みました。

線維筋痛症という病名よりも全身のエネルギー不足が起きるエネルギー障害症候群という呼び方の方が良い。

発病年齢の違いは、その人の遺伝的性質によって異なります。

腎臓の特定の領域に遺伝性の機能不全があり、通常の人では排泄される無機リン酸塩が体内に蓄積する可能性があると考えています。

細胞内のミトコンドリアでATPを産生して、このエネルギー通貨によって生命活動を営んでいます。このミトコンドリアは小さな発電所のようなものです。

生理学と生化学では、ミトコンドリアの内核であるマトリックスの過剰なリン酸塩がこれらの発電所の速度を低下させることはよく知られています。最終的に、これは余剰のATPを消費するだけでなく、基本的な生産も遅くします。 ATPの生成をブロックするということは、細胞が単に生き残る以外に実際の仕事をするのに十分な高エネルギーリン酸が利用できないことを意味します。

カルシウムイオンは、小胞体やミトコンドリア内外で、セカンドメッセンジャーとして働いています。ATP不足によってカルシウムイオンの排泄が不十分になり、細胞や身体の緊張を招きます。

エネルギー消費の激しい細胞が最も障害を受けるので、脳と筋肉の症状が顕著に出現してきます。

1959年に痛風のために2年間プロベネジド(尿酸排泄薬で、腎臓に過剰な尿酸を排出させます)を服用している患者が、自分で自分の歯石を容易に取り除く特技を目撃しました。

歯石のミネラル骨格がアパタイトと呼ばれる化学構造の75パーセントのリン酸カルシウムです。歯石は唾液から発生し、唾液は血液の血清に由来します。唾液中のリン酸塩濃度は通常血中に見られる濃度の4倍です。一方、唾液カルシウムのレベルは、血流内のレベルとほぼ同じです。カルシウムレベルにリン酸塩のレベルを掛けると溶解度定数と呼ばれる数値になります。どちらかの要素が多すぎたり少なすぎたりすることによって引き起こされる不安定性により、歯茎の下や歯の奥深くに結晶が形成されます。それがいわゆる歯石です。

痛風患者の関節を吸引すると、針状の尿酸結晶が現れます。血中尿酸を下げると、実際に痛風の急性発作が引き起こされることはよく知られています。尿酸の結晶が関節から消失すると、尿酸の結晶が出現したときと同じように痛みを引き起こします。

線維筋痛症と痛風は全く関係のない疾患ですが、尿酸排泄薬やグアイフェネシン(日本未承認の線維筋痛症の治療薬)によって症状は軽減されます。これがカルシウムとリン酸塩の排泄と線維筋痛症との関連を疑わせる根拠のひとつです。

グアイフェネシンは、元々は粘液を薄くし、痰を緩めるのに役立つ去痰薬ですが、腎臓からのリン酸塩の排泄を促進させることによって線維筋痛症を改善すると考えています。

血中のリン酸塩とカルシウムは逆相関の関係にあります。血中にリン酸塩が蓄積すると、カルシウムの濃度が下がりますが、これに副甲状腺ホルモンが反応してカルシウムの濃度を上げます。そうすると今度は行き場を失ったリン酸塩が組織に蓄積して、ミトコンドリアの機能を低下させて、線維筋痛症の症状となります。

グアイフェネシンを服用すると、痛風患者が尿酸値が下がるときに発作を起こすのと同様に、初期の逆転症状が出て一時的に悪化します。その時期を乗り越える忍耐力が必要です。