ハチミツと睡眠

2021年11月6日

ハチミツは睡眠を改善するという沢山の報告があります。(2012年、Cohenら2018年、Fakhr-Movahediら2008年、Warrenら

ハチミツは、抗酸化剤、抗炎症剤、抗菌剤としての作用を持つ植物化学物質を含んでおり、これらが睡眠を促す可能性があります。

また、ハチミツの甘味が唾液の分泌や気道粘液の分泌を促し、また内因性オピオイド物質の産生を促して鎮咳作用を発揮して、睡眠を促すことが指摘されています。(2006年、Ecclesら

また、ハチミツを摂ると睡眠が取りやすくなることとダイエット効果があることが、人生を変える 夜はちみつダイエット冬眠式プラスハチミツダイエット―眠っているあいだにスリムになる自然治癒はハチミツから ハニー・フルクトースの実力などの書籍でも指摘されています。

食欲と睡眠に関係するホルモンであるレプチンとグレリンから考察してみます。

レプチン(leptin)は脂肪細胞から分泌されるホルモンで、基本的に食事をした後に分泌されます。 レプチンが分泌されると、脳の視床下部にある「満腹中枢」が刺激され、満腹感を覚えるようになり、食欲が抑制されます。

レプチンは満腹ホルモン、食欲抑制ホルモン、痩せホルモンとも呼ばれます。

グレリン (ghrelin) は、空腹や飢餓時に胃から産生されます。下垂体に働き成長ホルモンの分泌を促進し、また視床下部の「摂食中枢」に働いて食欲を増進させる働きを持ちます。

グレリンは摂食ホルモン、食欲増進ホルモン、肥満ホルモンとも呼ばれます。

レプチンは睡眠と関連し、グレリンは不眠と関係しています。

ハチミツの成分は、植物化学物質、ビタミン、ミネラルなど以外は糖質で構成されています。

これらの糖質を摂取するとレプチンは右肩上がりに高くなる(=睡眠を促す)ことが報告されています。(2008年、Stanhopeら)

上図は同一カロリーのグルコースとフルクトースを朝食、昼食、夕食で摂取した後の、レプチンの濃度です。

1.フルクトースよりグルコースによってレプチンの濃度が高くなります。

2.3食糖質を摂ることによって、累積効果で夜間のレプチンが高くなり睡眠を促します。

これは朝食や昼食の糖質摂取が、夜間の睡眠を促すということを示唆しています。

(レプチンの3食糖質摂取による累積効果は、中性脂肪の経時変化と似ています)

以上から、「はちみつに含まれる糖質によってレプチンの濃度が上がって睡眠を促すメカニズム」が考えられます。

このはちみつのレプチンを介した睡眠作用は、はちみつに限らずに他の糖質でも同様に発現します。

また寝る前のはちみつだけではなくて、3食での糖質摂取でも同様に発現します。

糖質制限で不眠が起こることがありますが、そのメカニズムもレプチンで説明することが出来ます。

脂肪の少ない痩せ型の人が時に不眠になることも、レプチンで説明することが出来ます。

はちみつを摂ると寝やすくなるという記事ですが、摂りすぎると肥満などに繋がりますので注意が必要です。

夕食後から寝る前に大さじ一杯が目安です。

一般的に1歳未満の子供は、乳児ボツリヌス症のためハチミツは使えません。