若白髪(Premature Gray Hair)

まとめ:若白髪は、ホエイプロテインなどの高タンパク食、鉄、亜鉛、セレン、銅、ビタミンD、葉酸、ビタミンB12の適切な補給によって改善する可能性があります。甲状腺機能低下症が原因となる場合もあります。

鉄、ビタミンD、葉酸、ビタミンB12、およびセレンは、小児期または成人期初期の髪の白髪/白髪に関与する可能性のあるビタミンおよびミネラルです。これらの不足している微量栄養素を補うことで、若白髪を改善することができます。(2019年、Almohannaら

ビタミンB12または葉酸の欠乏で起こる悪性貧血では、55%に若白髪を起こすことが報告されています。(1970年、Dawber)

インドからの報告では、若白髪は、ビタミンB12欠乏、甲状腺機能低下症(血清TSHの上昇)、遺伝と関連するが、血清フェリチンとは関係しないことが報告されています。(2017年、Sounthariaら

2005年にTruebは、髪の白髪化は遺伝要因が関係することを報告しています。

甲状腺ホルモンT3およびT4は、毛包に直接作用してメラニン形成を増加させます。(2008年、Beekら

喫煙は若白髪の原因となり、喫煙により約2.5倍若白髪になりやすいことが報告されています。(2013年、Zayedら

特定の化学療法薬および抗マラリア薬のクロロキンなどは若白髪を引き起こす副作用が報告されています。(2016年、Ricciら)

2013年にBhatらは、インドで若白髪の35人について検査を行って、血清カルシウム、血清フェリチン、ビタミンD3が有意に低かったことを報告しました。一方で、血清鉄、ビタミンB12は有意差はありませんでした。

2016年にChakrabartyらは、インドで37人について検査して、血清フェリチン、ビタミンB12が有意に低いことを報告しました。

2014年にVinayらは、亜鉛欠乏症と若白髪との関連を報告しました。

マウスの実験で、白毛症を伴う脱毛症は、過剰または不足の食餌性セレンを投与されたマウスで観察され、セレン過剰群でより重症であることが報告されています。(2011年、Huwangら

一方で、イランで60人若白髪の患者さんの血清鉛と血清セレンを調べた研究では、対照群と有意差はありませんでした。(2020年、Kiafarら

2012年にNaieniらは、インドの66人の患者と66人の対照の血清鉄、銅、亜鉛濃度を調べ、血清銅が有意に低下していることを報告しました。

若白髪に関連すると言われる血液データが全く正常である方の報告もあります。(2019年、Sakhiaら

飢餓の地域で見られるタンパク質欠乏性栄養失調(クワシオルコル、Kwashiorkor)では、髪の成長と色素沈着に問題が出ることが報告されています。(1967年のSimsら、1974年のBrandfieldら)

クワシオルコルでは、髪の銅および血清銅が極端に低いことが報告されています。(1965年、Leaら